石造りの小部屋

殺風景な石造りの小部屋。
へんないきものが当面の住処にしているようだ。

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> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(あなたがそれを口に含むと、満足そうに頷き、手を離した。)
「然うだ、おまえよりもうんとお姉さんだよ。生の酸いも甘いも知っている訳だ。撫でてやろうか?くく。」
(からかうような冗談を言うと、こう付け足した。)
「まァ……。おまえも定命でないのなら、其の内知ることになろう。」
(どちらかと言えば、酸いの方が多かった気がする。成長しない、人ではないというのは想像以上の枷となる。
特に、人間に寄せているならば。あなたにはどうかそうなって欲しくはないという思いは、次の言葉で掻き消された。)

(確かに、肩が跳ねた。まるで恐ろしい獣を想起したかのような。)
「あァ。見える。てっきり何かの風習かと思っていたが……。
……然う、か。……其れは、此処にいる間は効力を発揮しないのか?」
 
10/22 21:05:42
> あさぎちゃん(304)
みつき(ENo.312)
唇に押し当てられるように差し出されたケーキを静かに頬張る。
口の中にねっとりと絡みつくような甘みが広がるのを感じた。
だが、それに支配されるといった感じはしない。
嫌な感じはしないが、じんわりと黄金の蜜に絡め取られたような感覚。

「はちじゅっ……!?
とてもお姉様、だったのですねあさぎさんは。」

予想の10倍近い年齢に目を見開く。
元いた世界では平均寿命の倍以上あるではないか。
少女の姿のままそれだけ生きるということはどういつことなのだろう……これにはまだそれが理解出来ない。
だが、他人事でもないのだとも思う。
もし寿命そのものもヒトと異なっていれば、いずれ自分もそうなる。

ピクリ、と肩が跳ねた。
震えを殺して首を振ることで答えを伝える。

「……わたしの此の首と両手足の紋様が見えますか?
わたしを縛る鎖の代わりです。
術式を知るヒトの意思ひとつで動かす事が出来なくなってしまいます。
逃げようとした時点で自由を奪われてしまいますし……それでも逃がそうとして下さる方もいなかった訳ではありませんが……逃げない方が良いという判断をせざるを得ませんでした。」
10/19 23:14:41
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
「ほう。其れも良いが……。まァ、八十いくつと生きると義理堅くもなるモンでな。ほれ。」
(ケーキを食べやすい大きさに千切ると、あなたの唇に押し付けるだろうか。乱雑である。)

「(……此奴は。)」
(求められれば、何だって応えるのだろうか。
……自身が嫌と思うことまで。
確かに、訊ねたのは己自身だ。只、まさか本当に答えてもらえるなんて。
そんな、まるで――。
続く言葉の答え合わせは、すぐ側にあった。)

「道具。道具だと?
…………、……はンッ。憐れだな。逃げ出そうとは思わんのか。」
(少し、逡巡して。口をついたのは、脳裏に過った感情とは正反対の、どうしようもないあまのじゃくな言葉だった。
勿論耳にするには、余り良い言葉ではないだろう。)
少女はそれなりに永きを生きたつもりだ。少なくとも、ヒトの一生分くらいは。
だから、耳触りの良いだけの言葉ならいくらでも思いついた。しかし何故だか、言えなかったのだ。)」
10/19 22:07:23
> あさぎちゃん(304)
蒼の魔女(ENo.312)
おずおずと語り始める。
但しぼやけたような抽象的な言い方とそれだけでは分かりえないような言葉の選び方。
そう、思えるかもしれない。
10/19 14:01:41
> あさぎちゃん(304)
みつき(ENo.312)
「あさぎさんが欲しいのなら差し上げま……!?
……そうさせろと仰るならそうしても構いませんが……。」

頬が引き攣って持ち上がっている。
予想しなかった後半の言葉にどう反応したらいいのか答えが見つからなかったとばかりに。
前で組んだ手を落ち着きなく親指同士突き合わせてみたり。

……そして、そのまま目を伏せる。

「……それは……。」

迷う。
少女の問い掛けは明確な答えを求めているように思えた。
彼女は妖怪という種族らしい。
つまり、ヒトではない。
だからこそ、伝えていいものか……同じようなものを見てきたのではないかと。

「そう……望まれるなら。」

話しましょう、と。
命じられるような形であれば、口を開きそうになる。
求められれば答えなくてはならない。

「わたしは道具のようなものです。
ヒトであるとわたし自身も思っていた頃にそうされて、そして今はヒトでなければ壊れないしずっと使えるとされました。そういうものなのです。」
10/18 21:35:27
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
「はン。そうかよ。
……喰わんのか?其れ。」
(半分に大きく残ったままのケーキに、目を向ける。)
「何だったら、此のあさぎちゃんが直々に喰わせてやっても良いンだぜ?くくッ。」

「ふゥン……。そう、か。」
(詳細な返答ではなかった。はぐらかされた、とも感じた。
それ自体は悪いことではないし、その理由もよく分かる。そも、初対面なのだ。
とりわけ自身のような胡乱そうな妖怪に対しては。
しかし、この暖かな少女のことだ。やもすれば……気を使っているのかも、しれない。
だが、もっと知りたいのだ。己と近い存在であり、然れど相反した性質を持つこの少女のことを。)

「気ィ使っているのか?気に入らん。
強ォい妖怪であるわたし相手ならばともかく。その様子だと、随分とそういった振る舞いが板についているじゃァないか。
弱っちい人間相手にな。 何故だ?」
(高圧的な態度は、この少女が永きを生きる間に身についたものだった。そのほうが少女にとっては生きやすいのだ。
少女は今までのあなたの振る舞いから、あなたが何かつらい目に遭っているのではないかと気になっていた。
遠回しだが、心配したかった。しかしそうとも限らない。もしかすると、ただ単に彼女なりの良心からのものかもしれないのだから。)
10/18 13:21:12
> あさぎちゃん(304)
みつき(ENo.312)
「いいえ……あさぎさんのなさりたいように。
わたしもそのほうがきっと楽です。
気を使われる方が申し訳ないですから……。」

少女の口調はヒトのものではないそれに思えた。
だが、別段気を悪くした様子はないだろう。
半分に分けておきながら自身はまだ何も食べ物に手を付けず、食べさせる以外はずっと傍に立ったままだったこれはその姿勢のまま困ったような形に眉と頬を緩めて笑う。

「はい。
病も想像のつかない事故もありますからね。」

そう答えた。
あなたがヒトではないからこそ、安心感があった。
けれども、気持ちの良い話ではない。
客人というものは、一時的な主も同様なのだ。
楽しい時間を過ごして貰わなくてはいけないのだと、両親にも今の主にもそう教えられた。
10/18 00:28:34
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(先程までの態度を一変させた、少女の姿をした妖怪。
もうここに弱そうな小娘はいない。演じる必要もない。己の言葉遣いに、過去の影を見ることもない。
こちらのほうが、気が楽だった。)

「くはッ。此方のほうが本性なのか、と驚いている顔だな?あァ……残念ながら、その通りだ。
それとも。さっきまでの方が良かったか?」

(からかうような、馴れ馴れしい態度。人によれば、怒りや不快感を感じるものだろう。)

「然し……。おまえは死ねない、と言っていたな。死ぬ様な目に遭ったことがあるのか?
……見た目はわたしと、そう変わらん癖に。
まァ、言い難いのであれば無理に語る必要は無いが。」
(ふとその口振りから、嗤いが消える。興味本意の声音には聴こえないかもしれない。
若しかすると、僅かに……真摯さを帯びていると感じるかもしれない。最も、つい先程までの態度を顧みれば今更めいたことかもしれないが。)

(――「わたしを、食べるのですか?それは構わないのですが……。」
至極当然。それが自然の摂理なのだと、そう思っているかのように感じられた言葉。
それに、「死ねない」という表現。死なない、ではなくて。
只の下働きの娘かと思っていたが、……正直。余り、良い想像は出来なかった。
然しそれを問い質す為の度胸も、信頼度も、まだ足りない気がした。)
 
10/17 22:24:00
> あさぎちゃん(304)
みつ(ENo.312)
驚きを感じたのは本当だった。
正体を明かすと共に口調も態度も変わる"少女"。
これが本性なのだろうか。
高笑いにはビクリと肩が跳ねたが、続いての言葉には内心安堵した。

(食べられるのは死ななくてもきっと痛い。
けれど……そうしないと言うのなら、きっと人間より怖くない。)

だが、少なくとも自分よりは強大な存在か。
妹のようだと思っていたが、実はそれよりも遥かに年上なのかもしれない。

「正確には解りませんが……。
人でないのは確かです。ですから多分、近いものなのでしょう。」
 
10/17 14:04:09
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(目を見開くあなたに、少女は心の中で達成感にも似た感情を噛み締める。……ああ、怖がってくれた。
しかし、次ぐ言葉に今度は少女が絶句した。)

「……は?」

(あなたがヒトでは無い。)
(あなたが、ヒトでは、無い。)

「……ッくく…………。くは、くははッ。くははははははッ……!!」
(正しく感情の爆発というべきか。パレットの中の色とりどりの絵の具を乱雑に掬いとって、キャンバスに叩きつけたかのような激情。)

「ッ嗚呼そうかそうかッ!くくッ……。好いな……面白い、実に面白い!斯様なことがあるか?だってだってッ、まさか!!
…………あァ……、それじゃァ妖怪同士……。もっと仲良くしなければなあ、え?みつき。」
(少女の中で、あなたの評価が一転した。儚げな心優しい人間(じゃくしゃ)から、妖怪(きょうしゃ)へ。
そして何より、自身に友好的な妖怪は珍しかった。なにより、少女の心を持つ妖怪は。)

「……あァ、安心しろ。妖怪であるならば、わたしはおまえを喰う気は無い。同族を喰らうほど、わたしは節操がない訳ではないのでな?」
 
10/17 02:20:41
> あさぎちゃん(304)
みつき(ENo.312)
「よう、かい……?」

目を丸くする。
それは恐れではなく、驚きという顔。
恐らく今日見せた表情の中で一番力の強い表情だろうか。
自身の世界の記憶に、人間と変わらない見た目の"神様"はいた。
かつて住んでいた王国の王より上に君臨する主であった。

「つまり……ヒト、ではないのですね。」

だからこそ、ここは動じない。
落ち着いて目を閉じ、再度開くときには再び表情の薄い顔に戻っているだろうか。

「わたしを、食べるのですか?それは構わないのですが……
……わたしもひとつお伝えしておきましょう。
わたしは、死ねない生き物でヒトではないのです。」

「ひょっとしたら、同じものかも、しれません。」
10/17 01:54:29
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
「ッ……。」
(しまった。つい悦楽にかまけて、猫を被ることを忘れてしまった。
この拍子にそう問うたということは、多少なりとも今の動作を訝しんでいるのだろう。彼女が、どれだけ優しいひとだとはいえ。
なのに――。何故、微笑んでいるのだろう。)

「……くはッ。」

(あなたがとても、良いひとであることは知っている。)
「悪い方には思えない、だッて?」
(俗世の穢れひとつ知らぬような、そんな無垢な。そう思えるほどに。
嗚呼、この少女の全ては善性で出来ているのだろうか。
だとしたら。自身の正体を知った時、一体どのような反応を示すのだろう。
悲鳴をあげる、逃げ出す、抵抗する。それとも。
少し、おどかしてみたかった。知って欲しかった。その少女はあなたを騙す、悪い人だということを。
良い人なんて似合わない。ましてや、そんな優しいあなたの……妹なんて。)

「生憎。わたしは良いひとでも。そも人間でも、少女ですら無いンだぜ。
……なァ、わたしの名を教えて遣ろう。

人喰いの妖怪、――「あさぎ」、って言うンだよ。」


(あなたには、この少女を小屋から追い出す権利がある。
だってあなたの眼前には、恐ろしい妖怪がいるのだから。)
10/17 01:33:20
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