石造りの小部屋

殺風景な石造りの小部屋。
へんないきものが当面の住処にしているようだ。

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> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(その言葉を聞けば、にっこりと微笑んだ。)
「あぁ、良かった。」

(しかし瞼の下の碧眼は、今しがた目にした微笑みに僅かな違和感を抱く。
まるで、微笑むことにあまり慣れていないような。表情に、感情が追いついていないような。
なれど気を悪くしたようではないようで、安堵する。)

「わたしの住まう東の果ての国には、浅葱色と呼ばれる色があるんです。
たとえば、わたしの瞳。此れが浅葱色。だから、あさぎちゃんと呼ばれているんです。
みつき、という名前もその国のことばなんですよ。」

(とにかく食料はあるらしい。やったね!
少女は食べ物と聴くと、目に見えて喜んだ。)
「本当ッ、……ですかっ。あぁ!いえ、そんなお構いなく。……でも……下さるのなら。」
(慌てて謙虚さを装うも、食への欲求を隠しきれていない。)
10/12 23:44:19
> あさぎちゃん(304)
みつき(ENo.312)
「みつき……海月、ですか?
あさぎさんの国の言葉なのでしょうか……きれい、な気がします。」

微笑んで見せる。
微笑んで見せた、つもりだった。
人間の表情の観察に慣れていれば、それがぎこちなく不自然に感じられるかもしれない。
気を悪くした風ではないだろうが……。

「はい、気に入りました。
素敵な名前で嬉しいです。
では……あさぎさんのお名前にも由来はあるのでしょうか?」

やはりここは知らない所、異国なのだろう。
目の間の少女もまた異国の人。
久しぶりに好奇心がうずくような気がした。
――そう"呼んでくれる"という部分が気になったが。

「では何かお茶でも用意しましょう。
どういった訳か食べ物はあるようですし……。」

そう、どういった訳かあるのだ。
突っ込んではいけないがあるのだ。
10/12 16:05:25
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(その言葉に、照れたように微笑む。)
「く……、いや、ふふ。ありがとうございます。皆さんが呼んでくださるので、わたしもね、気に入っているんです。
……あら、そうでしたか。だったら、貴女も此処に流れてきたばかりなのかしら。」
(かしら、などと。何度口にしても、身がくすぐったくなる思いがする。大昔は、ここまで抵抗はなかったのだが。
どうやら周囲を見ていると、いくつかの人々は此処に「気づいたらいた」らしい。斯く言う自身もその口である。
好きにお呼びくださいと聞くと一度瞑目する。)
「良いんですか。じゃあ、そうですね……。
"みつき"、等はどうでしょう。海に月、と書くんです。澄んだ海の瞳に、深い夜の髪。
見たところ異国の方のようですけれど、田舎者なものですから。海の向こうの名前に詳しくなくて……。ね?
気に入ってくださると、良いんですが。」
(表情を伺うように、貴女の瞳を見つめる。)
​​
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、今夜はお世話になりますね。」​​​​​
(少女にとって、全くの無意識的発言だった。
まさか思う由も無いだろう。目の前の少女が、自身の外見年齢と対して変わらぬ少女が、「母」と呼ばれているだなんて。)
10/12 09:01:47
> あさぎちゃん(304)
蒼の魔女(ENo.312)
「あさぎさん、ですね。
不思議な感じのするお名前です。
私は……。」

そこまで言って気付く。
今の自分に名前がないことに。

「わたしのことは皆さん好きに呼びます。
だから、あさぎさんがこれ!と思う名前で呼んでください。
実はわたしは気が付いたら此処にいたので……その……おかあさまはいません。」

どぎまぎしながら答えた。
既に今の名前で呼ばれたからだ。
彼女は"それ"を知っているのだろうか?
それとも全く知らない他国または他世界の人なのだろうか。

「だから、お休みになって下さっても大丈夫ですよ。」
10/12 02:52:09
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(本当は察知されなお見逃されたのだが、少女は露知らずやり過ごせたかと息をつき。)
「そうだったんですね。あぁ!押し入ったというのに申し遅れました。わたしは……あさぎちゃ、いえ。あさぎ、といいます。良ければ、あなたの名前も。」
(しかし、妙だ。口振りからすれば恐らく彼女(と、少女は思っている。)はひとりでここに住んでいる。歳も大きくは変わらぬように見えるのに。序に問うてみる。もし何かやんごとなき事情があったとしても、この見た目ならば子供の戯言と見逃してもらえるだろうと少女はたかを括った。勿論、そうであるとは限らないのだが。)
「それから……、そう。おかあさまは?もし此処で暫く休ませて下さるなら、おかあさまに良いか尋ねないと。」
10/12 02:35:16
> あさぎちゃん(304)
蒼の魔女(ENo.312)
すん、と鼻を鳴らす。
物心ついた頃から他者の魔力や魂の質を匂いとして感じることが出来た。
――尤も、ここは異なる世界。
知らない匂いがすることもあるだろう。

「いいえ。
わたしが先にいたとはいえ、わたしの所有物と呼んで良いものかわかりませんから……。」

魔力を感じた。
年相応の無邪気ではない表情を見た。
目の前の金髪の少女は全く普通の人間、ではないのだろう。
だが、黒髪のこれは敵意や拒絶といった表情の変化を示さない。
自身は下げた両手を前で組んで立ったまま、

「あの……あなたは?」

問いを投げかけた。
10/11 22:57:08
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
「ほう……。」
(中々暖かそうな部屋じゃァないか、と非常に無礼なことを考えつつ、軽く会釈しながら席につく。
と、ここで――。)

(あッまずッ)

(そんな下卑た考えが思いっきり顔に出ていることに気付いた。
少女はあなたに温和そうな印象を抱いており、つい気を抜いてしまったようだ。
慌てて全面に出ていたなんかもうどう見ても年相応のモノではない笑みを引っ込め、ちらりとあなたを見遣る。)

「え、えと……。ありがとう、ございます……?」

(あなたがもし魔力に敏いのならば、少女の素性に気付くかもしれない。只の見た目通りの娘ではないこと。その身から邪なる気がほんの僅か、漏れ出ていること。嫌な予感がしたならば、はたきだしても良いだろう。)
10/11 22:32:42
> あさぎちゃん(304)
蒼の魔女(ENo.312)
この世界がどのようなところか、まだ理解出来ていない。
しかし夜更けに少女が彷徨くのは危険だろう。
獣がいるかもしれない。
悪い人間がいるかもしれない。

「どうぞ此方へ……。」

この部屋には木製の机に4脚の椅子、暖炉に棚、本棚があるだろうか。奥にも扉があって他にも部屋がありそうだ。
──こうしたときは、客人をもてなすべきだ。
昔も今もそれだけは教えられてきた。
椅子を引いて一先ず休むよう促す。
10/11 09:45:15
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
(扉を開いて現れたのは、濡れ羽色の髪の少女。少なくとも、黄金の髪の少女はそう思ったようだ。
こういった服装は、確か遠い異国のものだったか。あの刺青は何かの風習だろうか。とにかく、胸中で、口端を釣り上げる。)
(――やッた!女子(おなご)だ。今日はついてる。奴らは大抵、良くしてくれるからな……。)
(などと無遠慮なことを考えながら、答えた。華やいだ笑顔を作るのは得意だ。)

「わあっ。良いんですか。それじゃあ、お言葉に甘えて……。お邪魔しますねっ。」
(小屋の中に足を踏み入れ、興味津津といった様子で辺りを見回す。)
10/11 03:02:11
> あさぎちゃん(304)
蒼の魔女(ENo.312)
ふと外から人……だろうか?誰かの気配がする。
嫌いな人間がここまで来たなどということはないだろう。そのときはそのとき、だ。
気配を探っているところに声。
少女のものに聴こえる。己とそう変わらない年頃だろうか?

「どなた?」

扉を開けばやはり少女だ。
見慣れない、自分の世界では見たこともない服装をしている。
こちらは薄手のキトンを纏い、首と両手足に蒼い紋様があるという姿だ。体型もわかりやすく少女に見えるだろうか。

「ええ、そういう事ならどうぞ。
此処はわたし一人では随分と余裕があります。お入り下さい。」

手招きをする。
10/11 02:41:56
> 蒼の魔女(312)
あさぎ(ENo.304)
「おッ、なんだ……。丁度良い所に小屋があるじゃァないか。くく、あわよくば今夜はここに泊めてもらって……。」
(あなたの耳が鋭ければ、入口から何やら密やかな声が聞こえるかもしれない。そして、)
「ごめんくださぁ~いっ。」
(鈴を転がすような甘いソプラノの声。しかしそこにはどこか、態とらしさが滲んでいるように感じるかもしれない。入口に向かえば、白いワンピースを纏った少女が遠慮がちに佇んでいるだろう。)
「ええっと……その……。道に迷ってしまったんですけれど。でも、もう夜も遅くて。」
10/11 02:25:10
蒼の魔女(ENo.312)
壁を探って灯りを灯す。
暗闇でも見えていたことに違和感はなかった。
ここにきた経緯を、来る前のことを思い出すが心当たりがない。
だが、ひとつだけわかる。

――一先ずの休暇。
それを満喫することにした。
10/11 01:58:02
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