RNo.216 【試し斬り会場】

「へ、平気でないならばこんな事はしていな…… いや平気ではないが平気だ。オレは正気、オレは正気……人の心……平気……問題無い……」
詠唱を諳んじる様にぽつぽつ、余りに他意無き相貌に耐えられず目を反らして。果たして、本当に"これ"が平気かどうかは各々に委ねられるが、本人がそう云っている以上は平気なのだろう。何の問題も無かった。

――っが、無慈悲な追加ダメージ……！

覗き込まれている、厳つい面持ちは最早悟りを開いたか如き様相。言葉は確実に刃と為って、命の様な何かを刈り取っていた。彼の気持ちは大いに分かるし、受け取る事が出来るのが余計に悪い。何も言えないが。

彼は悪くない……自分も悪くない……。

「そうか……そうか。そうまで言われるならば、それを活かさねば……オレの顔。これで魔物も魑魅魍魎も残らず退散すれば、オレも楽なのだがな……強さは人それぞれ、人それぞれ……」

やはり己に言い聞かせる様になっている辺りは、そういう事で。どう足掻いても輝く言葉の刃に微塵斬りにされている事には変わり無い。少々ふるふるとしていた肩を竦め、どうにか顔を上げれば――焼け付く様な、眩しい笑顔……！細めた目、瞼から覗く血色がどうにでもなれと揺れている。

――敵わん。そんな想いを強く込めながら、"これ"は右手を挙げて平手を振った。別れの挨拶の様でもあるし、或いは白旗を挙げる様でもある……。

「…ああ、また。帰路には気を付けるのだぞ」
然し、律儀に"また"を取り付ける辺り、懲りないし怨まない。態々心配する様な相手でもないだろうが、それでも気を付ける様に言付けながら、ひらひらと手を振ったまま見送る事となる。
　

11/22 16:05:15

ラグナ(ENo.491)

「カセイ、そんなに何度も死んで大丈夫かい？」
言葉という刃で自分が滅多斬りにした等とは露にも思わず、無垢な顔で覗きこんでくる。

「顔が全て…ではないと思うんだけれど、まあ、うん、キミの場合はそれで良いんじゃないかな。その顔は相当な武器になるよ。魔物ですら逃げ出すんだから。そんな怖い顔を持つキミが弱い訳ない。」
だから元気出して。という雰囲気だが、貴方にはこれでもか、という追加ダメージになったかもしれない。

「さて、僕はそろそろここを去るとするよ。ふふ、良い出会いだった。また話す機会があればよろしくね。」

そう言うと、トドメのきらきらの刃の笑顔を向け、この場を去っていこうとするのだった。

11/17 19:21:36

――しかして、行われる死を待機する中で、最期に聴いた言葉であろうそれは当然の様に、"これ"に対して深々と突き刺さる事となってしまった。言葉のキレが鋭い剰りに、一瞬それが何であるかの理解が追い付かない。剣士に対しての評に相応しく無いが、まるで名うての暗殺者が繰り出す刃のよう。

「クソッ、人間みな顔が肝心と言う奴かッ！」

恐らく、間際にはこんな台詞を彼に吐いて捨てる。ニュアンスも主張も――何処かの世界の言葉で表すとすれば、アンジャッシュを感じさせる――と言う状態だろうか。まるでモテぬ人間の様な言い分。どうやら、こと此処においては物理的な試し斬りではなく、図らずとも言葉の試し斬りと化したそれ。

よもやこうなろうとは、"これ"も思うまい…。

因みに精神的なダメージの具合は
【1D100 : 90】相当になった！
　

11/13 19:20:14

ラグナ(ENo.491)

「うーん、デスマスクではちょっと迫力に欠けるかもしれないから、今の、その顔で。出来ればもっとこう、くわっとした表情が良いんじゃないかな？」
などとキレの良いツッコミにも顎に手をあてて真面目に答える。

そして満面の笑みを浮かべ
「大丈夫。必要なのはキミの顔であって、キミではないから。」
祓われる心配はないよ、とフォローのつもりが、か弱い貴方には刃物より痛い一言になってしまったかもしれない。

11/12 15:40:15

「オレのデスマスクでも作る気か」
傍ら。よもや、此処まであらぬ方向に称賛される日が来るとは誰が想っただろうか。彼自身に悪意が無いと解り切っているだけに、露骨に怒るのも品が無い……と良心のブレーキに阻まれ已然として苦々しい表情をせざるを得ず。身体もさながら、メンタル面も然程強いとは言えないこの不死者にあって、無自覚な言葉の刃は一週回っていっそ清々しい。だからどうだと言う話であるし、受け流せるとも一切言っていない。

「大体。魔除けになるなら、先ず先に祓われるのはオレになろう。不死者、ないし血啜り鬼など最たる魔の物ではないか。己が祓われては笑い物だ。ゴブリンは祓うが」

しかして、こんな。違う、そうじゃない。明らかに見える突っ込み疲れからそれを放棄した挙句、己からこういった事を言い出す始末。紛れも無く、彼のペースに呑み込まれ初めている。"これ"も自覚しての事か、言葉を一度切った後にふるふると頭を振った。
　

11/10 20:10:28

ラグナ(ENo.491)

「何だって！？魔物さえ逃げていくなんて凄いじゃないか！(褒めてるつもり)だったら弱くても構わないさ(無自覚な攻撃)キミは立ってるだけて良いんだ。その顔でね。何だったらその顔を模して魔除けのお面なんて作ったら売れるかもしれないよ？」
挙句の果てに酷い提案だが、やはり彼は真面目な顔で言っている。如何に貴方の顔が優れているか、長所として褒めたいらしい。…が、貴方の心はすでにダメージだらけで幾度となく死んでいるかもしれない。いかんせん彼にそんな想像する能力はなく…

11/10 11:53:30

「」
またしても効果は抜群だ…！
数々の言葉にまともに話せない…！

「…ああそうだな。そうだとも。傭兵や用心棒でもやれば良いのだろうな、これは…！だが、オレは冒険者な上に矢面に立つ質ではない……顔があれど、実際の力が伴わんと舐められるだろう……。それにだ、それにだぞ。既に実証はしている。オレの顔で魔物に逃げられた経験は幾度となくあるのだが？」

満面の笑みに対して、返す言葉…無し…！ひたすら自棄になって、淡々と事実を述べるだけの生物になりつつある。当然、彼の胸中に在る言葉を知る筈もない。むべなるかな。
　

11/9 12:26:19

ラグナ(ENo.491)

「ハロー効果、か。ならばキミの第一印象は抜群ではないかい？傭兵なんかやったら立ってるだけで敵は怖がって逃げていくんじゃないかな？」酷くいじめている様だが彼は素で真面目な顔だ。

「ふふ、よしなに。胸に留めてくれて嬉しいよ。」
自分とはおよそ真逆の性質の人間…否、吸血鬼に興味津々といった様子で満面の笑みを浮かべるのだった。

（キミは自身の良いところに気付いていないだけさ。魅力はこんなにもたくさんあるのに。）そっと心に呟く。

11/8 20:04:24

「うっ、うぐっ……先程は…死んでいるのを良い事にまた……このっ……うおっ……」
して、最後に歯を半ば軋りながら貌を向けたのは自身をつついていた彼だ。クリーンヒットした笑顔を思い出すや否や、悪気が一切合切無いそれ想い、言葉に詰まって仕方がない。寧ろ、"これ"が勝手に僻んでいるだけとも云う。哀れ。暫し逡巡した挙句、眉間を指で挟みながら諦めを挙げた。

「よしなに。だが、褒めにはならんぞ。オレは印象が善い方が好ましいと思っている。ハロー効果だ。顔も名前も知らん人間と、信用のやり取りを交わす稼業の者としては余計に、だ。言い方も悪いが、そこらの人間を騙したければ先ず顔。顔が良い事に尽きる―― が、これ以上切り捨て合っても不毛だ。…有り難く言葉を胸に留めて置くとしよう」
　

11/8 13:33:26

ラグナ(ENo.491)

「カセイだね。改めてよろしく。
カセイ、キミは背が高くて逞しい。顔つきも凛々しいと言えば…少しは救われるかい？
僕はこんな性格だから、あまり迫力がなくてね。キミの凄みが羨ましくもある。僕から見たら、キミは格好良いよ。」
彼の言う、光の人間の放つ真っ直ぐな笑顔が直撃する。

「周りはキミが思ってる程―― 」
と言いかけて気づく。ツンツンと指先でつついてみる。反応がない。ただのしかばねのようだ。
「ボランティアのし過ぎで力尽きてしまったようだね…。」
青年は困った様な顔をしたまま、死んでも蘇るという言葉を信じてしばし見守る事にする。

11/8 12:21:05

「………ぁ？」
トドメの一撃！クリティカルヒット！
お察しの通り、この不死者は自己評価がやたらと低い。ないし、自己肯定のままならない性質である。だからと言って、トドメの一言を受けて反論する事も無く、見せた反応は吸われる生命に比例してしょんもりとしな垂れる事のみ。これが光の人間か。そう、想った事だろう。

最早、好きにするといった言葉にも返すそれが無い。力なく首を振りながら、苦笑いをする彼に対して。角度を変えれば、否変えずとも。ある種、僻みか何かの様な言葉を零すのであった。

「いいか、顔がいい奴はただの村人とは認めんぞ。第一、オレ以外此処に来ている人間は何故揃いも揃って顔がいいのだ。その時点でただの村人○○なぞ名乗れんぞ。出直せ。凡庸な容姿になって。顔がいい人間はモブにはなれんのだ…！」

滅茶苦茶だ。自論を展開した挙句に、ようやっと口に出された名前に咳払いをしながら、改めて己も名を告げる事にはなろう。先の、彼女とのやり取りでそれとなく聞いてはいたが――形式上と言う物だ。

「――ナイトレイだな、承知した。そこな、青……お前も青いな。先程来た者も口に出していたが、オレはカセイ―― カセイ･ハランと言う名が在る。よもや、己にとって名の定義は然程意味は無いが通りが良いと言う事で、こうだ」
　

11/7 20:35:44