山中美術大学天文部

事件前

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>   (816) 松村ゆかり(811)
衛門 諸汰(ENo.815)
ひと段落した作業を閉じる。
ノートパソコンを畳んでトートバッグに仕舞い、立ち上がった。

ゆかりに集る蟻は、一人減っては一人増え。
代わる代わるチャンスを狙う者で常に溢れかえっている。

そんな蟻山を、横切る。

自分が蟻でないような顔をして。
5/12 23:41:41
>   (816) 衛門 諸汰(815)
「いいんですかぁ~?ありがとうございまーす♡」

ゆかりのためにミルクティーを買ってきたらしい。
笑顔で遠慮なく受け取りソレを飲みながら、指先で髪をくるくる弄んでいる。

「え~~~大丈夫なんですかぁ~?また先生に怒られちゃいますよ?」

衛門の同回生の男が課題の締め切りが迫っているというのにまだほとんど進んでおらず、昨日は徹夜をした。などという話を何故か自慢げに話している。
男は気づいているのかはわからないが、心配そうな言葉のわりに声色は全く心配していない。
5/12 23:25:43
>   (816) 松村ゆかり(811)
衛門 諸汰(ENo.815)
(さすが〜)
(しらなかった〜)
(すご〜い)
(センスいいですね〜)
(そうなんだ〜)

(全部使っとるがな……)

すこし呆れながら、静かにエンターキーを小指で押し込んだ。
5/12 23:15:03
>   (816) 松村ゆかり(811)
衛門 諸汰(ENo.815)
「……」

いつもの天文部。

準備もなにもせずにだべっている集団の中心人物にちらりと視線を向ける。
松村ゆかり……天文部のマドンナだ。
天文部の男は全員松村ゆかりを狙っていると言って過言でない。
自分はと言うと、ノートパソコンをカチャカチャと鳴らしながらプロジェクターの演出やBGMの編集をしている。

(合コンのさしすせそっちゅうんがあったわなあ……)
(たしか……)
5/12 23:14:07
>   (816)
「へ~~そうなんですかぁ~?すごーい♪」

甘ったれた喋り方で先輩の自慢話を聞いている。
5/12 23:06:38
  (ENo.816)
文化祭の準備で部員たちは集まっていた。
だが真面目に準備しているのは半数程度だ。
プラネタリウム用のテントを作成している部員のすぐ後ろで、谷村ゆかりは数名の男性部員に囲まれていつものように談笑していた。
 
5/12 21:45:18
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