【騒乱荊街】其の生命は落葉に埋まる

12月末、深夜になればワールドスワップが行われる日。
しかし、住民にそんな事はわからない。

普段通りの日常を送っている。

【創藍荊街No.27のイベントです。
 招待者以外の書き込みは御遠慮ください】

offline_boltリアルタイムチャットを有効化
件表示
refresh
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
「……生き抜ぬいて、帰るぞ。あの街へ」

 張り付く不安を振り切って
 先の見えない赤い道を
 二人で歩いていく。

 今が絶望だったとしても
 隣に友がいてくれるなら───
4/30 05:14:48
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
「…………」

 南兄弟、ジョシュアとグレゴリー、
 学校の友達、街で知り合った人達
 ハザマで失ったもの。
 侵略戦争の嘘だったもの。

 様々なものが脳裏をよぎる。

(続)
4/30 05:10:58
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<歩き始めた成鐘の背を
 拳でポコンと叩く>

「どういたしまして。
 お互い様だ」

<最悪に近い状況ではあるものの、
 希望は未だ潰えてはいない。
 第一最悪なんてものはもう何度も
 通り過ぎてきた後だ。

 今の状況も必ず乗り越える。
 自分にはその義務がある。

 この体は多くの約束と願いを背負って
 息をしているのだから>
4/30 05:08:12
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
 寺田の手が届かない背中を縫いつける。
 なれてないので拙い手つきだが、
 根性でで間違えずに遂行した。

「クソ……っ」

 何も出来ず、ただ寺田が刺されるところを
 見るしかなかったことを悔やむ。

「輸血やら、もっと本格的な手術が必要かもしれねぇな……
 ………」

 タシャがいてくれれば、
 寺田の異能があれば。
 全て思い返しても仕方ない。

 今はただ、皆と約束した地、
 リムファイアへ進むしかなかった。

「……寺田、ありがとな」
4/30 04:47:32
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<真っ赤に濡れた糸が痛々しく食い込む傷口を
 シャツで隠して立ち上がる>

「……こんなに不便だとはな」

<そう小さくぼやいた。

 それから成鐘の先導に従い、
 飛行船に向かって移動するだろう>
4/30 04:37:40
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
「君の異能が顕在なのは不幸中の幸いか。

 待ってくれ。とりあえず腹の傷を塞ぐ」

<差し当たって危険がないことを確認すると
 医療キットから消毒液や縫い針を借りて
 自分の腹に開いた刺し傷を縫い付け始めるだろう。

 内臓からも多少なりとも出血が起こっているが、
 そこは治療してくれそうな友人知人を探して
 治してもらうより他ない。
 ひとまず今は外傷だけでも塞いでおかねば>

4/30 04:30:23
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
「なんとか、自分で歩ける。

 どこにも連絡は取れないが……
 異能は、使えるな」

 救急医療キットが目の前に落ちてくる。
 危険の気配はないが、外にスワップに巻き込まれた者の
 混乱にあえぐ声が聞こえる。

「真柄から飛行船の座標教えてもらった。
 手当したら、そこに向かおうぜ。
 追悼も、色々整えるのも、そのあとだ……」
4/30 04:18:30
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
「さ……」

<頭痛をこらえながら顔を上げる>

「最悪に近いタイミングだな……!
 こんな時に……」

<寺田は手元の弓を握りしめる。
 今は混乱するというような贅沢を楽しむ暇もない。
 腹の傷を庇いながら辺りを見回して、
 近くに危険が近づいていないか確認しようとした>
4/30 04:04:24
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<空気ごと赤らんでいく視界。
 いよいよ瀕死の体が視界にまで
 影響して来たかと思ったが、
 じきに辺りの景色それ自体が
 赤化したのだと気が付いた>

「っ……い、たたた……!」

<寺田は地に膝をついたまま
 頭を押さえてうめく。
 ハザマでは長らく特殊な環境下に居たため
 一気に記憶が流れ込んでくる感覚には
 慣れていないのである>

4/30 03:55:15
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
 涙を拭って己の頬を叩く。

「……異能が復活しない。
 俺の異能が消えちまったんじゃなくて、
 街中の回線が死んでる。

 ……なんだ?」

 ビルが溶け、空が赤く染まっていく。
 ワールドスワップが、はじまったのだ。

「…………」

 成鐘は同時に思い出す。
 ハザマで行ったこと、そしてその結末。
 記憶の同期も行われていた。
4/30 02:39:12
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<冷徹に夜風が吹き付ける鉄橋のただ中、
 最後の灯を見送った。

 ビル群取り囲んでいた壁が崩れるに合わせて
 寺田は血濡れの腹を押さえて
 その場に膝をつく>

「ああ。
 元気とは言い難いがな。

 成鐘、悪いが病院かどこかに連絡してくれ。
 君の部下の人たちにも
 応援に来てもらった方がいい。
 落ち込むのは完全に安全を確認してからだ」
4/19 21:45:20
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「…………」

 ここで背を向ければ、
 一生タシャに会うことができない。
 そう感じているのに、
 逃げることしか、選択肢がなかった。

 寺田に支えられ、道を進む。
 一番優先しなればいけないのは、
 二人でここを生きて出ることだ。

 二人が木の壁を抜け、街へ続く鉄橋を歩いているとき、
 大きく都市が光り輝く。

 ふっと光が消えたとき、
 木の壁が崩壊していくのが見えた。
 音も何も聞こえてこない。

「寺田…………
 そこに、いるよな……」

 さも返事のわかりきった質問。
 しかし今は、確かめざるを得なかった。
4/19 02:55:11
コマンド一覧
発言を削除 DELETE
ブロック BLOCK
BAN BAN
コマンドを入力
キャンセル
コマンドを入力