【騒乱荊街】其の生命は落葉に埋まる

12月末、深夜になればワールドスワップが行われる日。
しかし、住民にそんな事はわからない。

普段通りの日常を送っている。

【創藍荊街No.27のイベントです。
 招待者以外の書き込みは御遠慮ください】

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> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「…………」

 ここで背を向ければ、
 一生タシャに会うことができない。
 そう感じているのに、
 逃げることしか、選択肢がなかった。

 寺田に支えられ、道を進む。
 一番優先しなればいけないのは、
 二人でここを生きて出ることだ。

 二人が木の壁を抜け、街へ続く鉄橋を歩いているとき、
 大きく都市が光り輝く。

 ふっと光が消えたとき、
 木の壁が崩壊していくのが見えた。
 音も何も聞こえてこない。

「寺田…………
 そこに、いるよな……」

 さも返事のわかりきった質問。
 しかし今は、確かめざるを得なかった。
4/19 02:55:11
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<怪物的に輝く虹帯に背を向けて
 寺田は成鐘の体を支える腕に力を込める。

 タシャによって示された
 唯一の逃走経路へ向かって、
 慈悲が無いのかと見えるほどに
 全力を振り絞って走り込んだ>
4/17 02:05:36
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
4/17 01:58:21
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
4/17 01:58:06
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「ダメだッ、タシャ!!
 行くなァ!!!」


 成鐘は大声をあげ、寺田の背から乗り出そうとするだろう。
 しかし力がうまく入らないのか、手を伸ばすことしかできない。

 虹の光が、こちらにまで漏れてくる。
 ここにいては危険だ。
4/16 08:09:05
> 成鐘(899) 寺田(898)
 (ENo.1258)
「ほう、移しようか……
 都合がよか、決着付けっぞ、虚仮神仏ッ!!」

 男が叫んだ。
 虹色の光に黄金の流動金属が消されていく。
 力の差は歴然だ。
 しかしタシャは一寸の迷いもなく、男に飛び込んでいく。

 木でできた巨壁が黄金によってこじ開けられた。
 今なら逃げることができるだろう。

成鐘
「タシャ……」

(続)
4/16 07:45:21
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「寺田様、貴方のお陰で、私は私を取り戻せた。
 ……坊っちゃんを頼みます」

 一面が黄金に染まる。
 タシャの姿が解け、首のない仏像が現れた。


成鐘
「…………まて、タシャ……」

(続)
4/16 07:33:59
> 寺田(898)  (1258)
タシャ(ENo.899)
 タシャの瞳が黄昏色に染まる。
 銀色だった流動金属が、黄金に染まっていく。

(私は坊っちゃんが本当につらいとき、お傍にいられなかった。
 お心に寄り添うこともできなかった。

 本当に大切な方々と過ごした時間はそう変わらないのだから、
 心が欠けた私など、坊っちゃんと心を通わすには
 足りぬものばかりだったのでしょう。

 しかし、それでも)

「ありがとうございました。
 坊っちゃんに御仕えできて、嬉しかったです。

 永い、お暇を頂きます」

(続)
4/16 07:30:59
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
『青色の──』

 タシャに触れられると身体が軽くなる。
 そうだ、俺の瞳は父様と同じ、青色だったはずだ。

 どうして今まで忘れていたんだ?
 あの黄金色の瞳は……?

(続)
4/16 06:44:05
回想(ENo.899)
「もう、そんなにはしゃがないの。
 ほら、髪を梳かしてあげるから大人しくしなさい」

 最初で最後だった、父様と母様とのピクニック。
 そこにタシャの姿はない。

「ちゃんと身だしなみ整えなくちゃ。ね。
 せっかく綺麗な瞳なんだから、
 ルドルフさんと同じ──」

(続)
4/16 06:40:36
> 寺田(898)  (1258)
回想(ENo.899)
 その事実を皮切りに、様々な記憶が思い出される。

 数少ない父様と母様との話。
 忘れるはずがないのに、どうして今まで忘れていたんだろう。

「おはよう、スペンサー。

 すまないね、今日ぐらいしか休みが取れなくてね……
 ああ、いや今日ぐらい仕事の話はよそう。
 家族水入らずだ、ピクニックなんて何年ぶりだろう」

(続)
4/16 06:37:28
> 寺田(898)  (1258)
回想(ENo.899)
 俺の名前はスペンサー、
 父様の名前はルドルフ。

 米国生まれで、英国の様式で育った。

 そんな俺が、幼い頃の俺が、
 伽藍 汰叉なんて名前、つけるわけがない。

 この記憶はなんだ?

 そうだ、

 "ずっと傍にいてくれる人"

 なんて、イバラシティに来るまで誰もいなかった……

(続)
4/16 06:31:54
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