【騒乱荊街】其の生命は落葉に埋まる

12月末、深夜になればワールドスワップが行われる日。
しかし、住民にそんな事はわからない。

普段通りの日常を送っている。

【創藍荊街No.27のイベントです。
 招待者以外の書き込みは御遠慮ください】

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> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
成鐘
「…………タ、シャ……?」

 寺田の背に乗るだけだった成鐘がわずかに声を漏らす。
 その成鐘へタシャが近づくと、頬に手を添える。

タシャ
「……永らくお貸ししていたものを引き取らせていただきます、坊っちゃん」

成鐘
(これは、走馬灯か?)

(続)
4/16 06:19:21
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「申し訳ございません。
 大変遅くなりました、坊っちゃん、寺田様」

 銀のうねりの一部が人型を形成すると、
 青い髪の召使いが立っていた。

「あとは全て、この私が」

(続)
4/16 06:10:41
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
 銀色の手が寺田と成鐘をすくい上げ、虹の光から引き離す。
 手は波となり、うねりとなり、男の前に立ちふさがった。

(続)
4/16 06:08:49
> 成鐘(899) 寺田(898)
 (ENo.1258)
もう一撃、防ぐことができない虹の光が寺田の背中に向けて放たれる。
風を切り裂いた音さえ聞こえない。

(続)
4/16 06:05:38
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
「(でも、しつこさじゃ
  こっちだって負ける気はない!)」

<寺田は言葉にし難い気合いの声を一言発し、
 最後の力まで振り絞るつもりで走った。

 目的地は一先ず変えない。
 壁に行き当たった時に刀が一片も
 残っていなかったら、
 その時こそは死に損ない同士の鬼ごっこ。
 先にどちらの精魂尽きるかの
 我慢比べだ>
2/26 09:37:46
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
「なんってしつこい奴だ……!」

<最初に声で異変に気付いた。
 知らず知らず進むことで手一杯に
 なっていた意識が再び外へ向くと
 手元の軽さも脳まで伝わってくる>

「(消え――なんだこの虹色?)」

<一瞬だけ振り返る>

「(奴の手にも虹色の刃物。
  そうかまだ奥の手が
  あったってことなんだろう。

  あれが何だか分からんが、
  今逃げ切らないと
  まずいってことだけは分かる――!)」

2/26 09:29:04
> 成鐘(899) 寺田(898)
 (ENo.1258)
「待たんか」

 数メートル後ろから男の声がした。
 その手には刀剣とは言い難い、
 虹色の光のナイフのようなものが握られていた。

 先程血の刀を受けた傷口からも虹色の光が溢れている。

 こんなにも光が溢れているのに、
 何も照らされていないのが非常に不気味だ。

 兎にも角にも、この光に触れたものは
 なんであれ消滅することがわかるだろう。
2/26 08:44:30
> 成鐘(899) 寺田(898)
 (ENo.1258)
 風が吹き抜ける。

 背中は重いはずなのに、
 血の刀を持つ手は軽くなるだろう。

 いつのまにか虹色の光が刀に差し込んでいる。
 音も全くしなかったし、気配も、弾道もなかった光だ。

 あらゆる異能と神秘を消し去る刀剣が、
 光の触れた箇所から、解けるように消えていく。

(続)
2/26 08:40:19
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
「…………
 畜生……!
 シャキッとしろ! 男だろうが!」

<自分への叱責か相手への激励か
 自分自身でも分からぬ言葉を放って
 成鐘を強引に背に載せた。

 失った異能が今ここに
 残っていればと悔やむのか。
 いいや既に自分の手を離れたものに
 ぐずぐずと思い暮れたりなどしない。

 益々出血がシャツを真っ赤に濡らすが
 それもいとわずより足早に
 壁へ向かって進んだ。
 壁に到達すれば一も二もなく
 刀で道をこじ開けるつもりだ>
2/22 12:55:43
> 成鐘(899)  (1258)
寺田(ENo.898)
<足元に点々と血の痕跡を作りながら
 都市の端を目指して歩を進める。

 あの植物の壁。
 大きすぎて距離感が狂うせいか
 歩いても歩いても辿り着く気がしない。

 ふっと肩にかかる重みが増して
 振り返ると真横には
 今にも落ちそうな瞼の奥で
 うつろに俯いた目玉があった>

「……成鐘……

 おい……?」

<何度か相手の肩を揺らす>

2/22 12:43:23
> 寺田(898)  (1258)
 (ENo.899)
「……………」

 返事もなくなり、自分の足で歩くことができなくなる。
 成鐘が力を入れられないため、背負うのも苦労するだろう。

 息をしていない。

 保険の授業を思い出せれば
 無呼吸状態で5分経過した時点で救命確率は25%を下回る。
2/22 08:10:27
> 寺田(898)  (1258)
成鐘(ENo.899)
「はぁ─……はぁ─……」

 寺田に肩を貸されながら歩く。

 刀を持っていられなくなり、
 寺田に持ってもらうことになるだろう。
 ハッチから出て、不気味な程に静かな水上都市へ戻ると
 ズルズルと膝がたたなくなってきた。

「寺田……」

 出血量に対してまだまだ動けそうな寺田に安堵する。


 次に何かあったら、置いていってくれ。
 その言葉がつっかえて口に出せない。

(続)
2/21 23:18:58
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