月明かりの花畑

その花畑は亡くした人や無くした物の幻を見れるらしい。特に、ここに来る時になくした何かを思い浮かべていたりしたらよく見えるらしいが…
あくまで物言わぬ幻…
この花畑の入り口になる森に来た時点で何か亡くした/無くした過去を持つ者なら導かれる様にこの中心地の花畑まで導かれるだろう…

そして、その花畑の隅にある小屋に住まう男性が1人…

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> ソルス(441)
ウア(ENo.517)
力強くその手を握ったあなたに応えて力を込める。男なりに信頼を注いだ証だった。
穏やかに笑みを湛え、この手を取ったあなたへの。
背後で尾がゆったりと揺れる。

「……周囲の支えというのは宝だな。それは時に糧となり、立ち上がる理由となる。おまえもそれを知っているようだ。
おれにも船旅を共にする仲間がいる。境遇を同じくした者の集まりだったが、他に代えられない唯一無二の存在だ」

男は頷いて、ふ、と息を零した。
11/9 20:31:09
> ウア(517)
ソルス(ENo.441)
「実際そんな様子を見た者はマトモに帰れる様になるまで1日かかった…だから、アンタがそうならなくて良かった」

男性の腕の毛を見た時ふと目を丸くした。獣人やそれに該当する種族はソルスの元いた世界にはいなかったが、穏やかな笑顔で固く握手を交わす。
その握手の中には純粋な信頼の証と、恐れる必要はないという意味合いが込められていた。

「俺は守りたい物があった、戦う理由があったから足を止めるわけにはいかなかった。遺志を継ぐ為にも…だから、皆のお陰で潰れなかったんだ。
ウアにま仲間や友人はいるだろうか?」
11/9 19:36:07
> ソルス(441)
ウア(ENo.517)
「最期の姿を繰り返されたら目覚めが悪そうだな……見えたものがまともで良かった。
おまえは強いな。潰れかけたことがありながら、こうしておれに手を差し伸べる」

握手を求められ、男はちらと自分の腕を見た。腕は中途半端に獣の毛に覆われている。
少しばかり逡巡を見せてから、恐る恐る差し出されたあなたの手を握り返すだろう。
11/9 18:34:59
> ウア(517)
ソルス(ENo.441)
「いや…謝る事はない。幻を見た後なら尚更仕方のない事だ…
でも、そうか…元気な頃の姿で出会えたのだな…せめてそうだったのなら良かった…。人によっては亡くした姿のまま…なんて事もあった様でな…夢でも、幻でもせめて穏やかな姿が見れたのなら本当に…良かったと思う」

亡くした大切な人の事を想起し、悲しみの中にあるのであろう状況でそうした言葉をかける優しさに応える様に、こちらへ向き直る男性に穏やかな顔を浮かべる。

「落ち着いたのなら良かった…
喪失の悲しみは1人で受け止め続けたら…きっと耐え切れなくなる、いや…耐え切れない…俺は押し潰されそうになった…だから、俺も力になれたのなら嬉しいし、この出会いを幸運だと言ってもらえたのなら尚更良かったと思える。
…俺もこの出会いを幸運だと思ってる。上手く言葉に出来ないのが悪いが…」
改めて握手を求める様に手を差し伸べる。
11/9 15:03:09
> ソルス(441)
ウア(ENo.517)
「ああ、すまない。重い話を零してしまった。どうか気に病まないでくれ。
せめてものいい話を、とはいかないが。おれの見た幻は息災そうな顔をしていたよ。気丈で、無邪気で、健やかな頃の姉だった」

彼女の死を想起したのは事実でも、彼の厚意にはどうにか報いようと。
煌々と光を注ぐ月を瞳に映したのち、男があなたに正面から向き直る。

「悲しいから悼む。それで良いとおれは思う。
……ソルス、だったか。大分落ち着いた。今この場で、喪失を悲しむ者に会えたおれは幸運なのだろう。……礼を言わせてほしい」

そう、静かに瞳を伏せた。
11/9 13:08:22
> ウア(517)
ソルス(ENo.441)
「…それが本当にアンタの責任なのかどうかも分からない…だから、無責任にアンタは悪くないと言うわけにもアンタが悪いともいかない。
ただ、せめて言えるのはアンタの見た幻が責める様な顔をしていなかったら良いなと…そう、思う」
どうにも不器用な言い方だが、本人なりに気を遣っているらしいが、上手く言葉を出せずに頭をかく。 

男性が天を仰げば生い茂る木々の中、月明かりが真っ直ぐここへ入る為だけに空いた様な木々の隙間から月が見えるだろう。
して、男性の言葉に対して目を丸くしながら、腕を組む。

「そうだな。残される者達にとって悼む事こそが1番の弔いでもあるからな………」
それらしい理屈を並べたがすぐに首を横に振る。
「いや、違う…違うな。ただ難しい事はない。俺はただ、何かを亡くした事実や、亡くす事が悲しいから悼むのかもしれない…」
11/9 02:13:51
> ソルス(441)
ウア(ENo.517)
「……もし姉が健在であったならとは思う。しかしそれは、ないんだ。嫌になるほど思い知った。彼女を思い出す度に責められているような気になる。
彼女を喪ったのは、……おれの責任だから」
口を結ぶ前に言葉を選んだような間を作り、天を仰いぐ。

「おまえは……きっと、悼みのわかる人物なのだろうな」
でなければ、ふらりと来訪した者を気に掛けることなどしないだろうと。視線を合わせないながらも、男はその善意に感服していた。
11/8 22:03:31
> ウア(517)
ソルス(ENo.441)
身内を亡くす辛さには自分の数ある記憶の中に、覚えがあるからこそ悲しげ、或いは寂しげな表情をして少し目を伏せる。

「そうか…姉を…辛い話をさせたな。
…友人などが出来ても家族を亡くした寂しさと悲しさ…そして出来た穴は中々埋められない…故に、幻じゃなかったら良かったと言う者は沢山いたが…その口振りからして…ウアはそうではないのか?」
 
11/8 20:53:13
> ソルス(441)
ウア(ENo.517)
「……構わない」

尋ねられることについて嫌な顔はしなかった。依然として気分は優れないようだったが。

「事実、おれは姉を亡くしている。此処にそのような傾向があるなら、おれが幻影を見たのも道理なのだろう。
……幻であると知れてよかった」

姉について言及する際、一瞬だけ目を眇めた。声を掛けられていなければ今頃膝でもついていたのかもしれない。
11/8 12:29:10
> ウア(517)
ソルス(ENo.441)
「ウア、か。ここで会ったのも何かの縁かな。よろしく。」
幾分か落ち着いた様子の男性を見たら安堵した様な顔を浮かべる。船乗りと聞けばそこにも少し興味深そうに目を丸くする。
が、またすぐに難しい表情に戻り、揺れる花から男性の方へと視線を移す。

「ここの幻に見せられてここへ辿り着く者は皆共通して何かを亡くして、何かを無くした様でな…
アンタもまたそうだったのか…あ、いやこれでは詮索しようとしてる様に聞こえてしまうな。すまない。」
推測の域は出ないが、と補足して。
11/7 23:27:33
ウア(ENo.517)
「幻……」
単語を復唱し、一度深く呼吸すると片腕で頭をがしがしと掻いた。
ここは幻を見る場所であるらしいと認識したらしい男は視線を落とす。腑に落ちたようだった。

「そう、か。そうだな……戻ってくる筈が、なかった。……すまない。有り得ないものを見て、平静を失っていた」
それは自身に言い聞かせているようでもあった。訪れた当初よりは落ち着いた態度であなたと向き合う。

「……おれはウア。船乗りをしている。どうやらいらぬ心配を掛けてしまったらしい」
男は簡素に挨拶をすると、ばつが悪そうに花々を見遣った。
11/7 22:58:32
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