ウルタール芸能事務所応接室

導入は別の場所かも

offline_boltリアルタイムチャットを有効化
件表示
refresh
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
こちらの事を案じてくれているレンには、少し考え、こう答えた。

「謡を消滅させる方法が確立されればそれは俺の完全なる死亡と同義だ。
現状俺は桔梗院から見れば、強力な式神を操り神獣を宿し、さらに不可抗力ではあるものの最強バリアを手に入れた退魔師って感じになってるから。
俺が人間だと思われているうちは何の危険もないよ。
レンがそう言ってくれることについては──」

そこまで話して、ちょっと悩んだように一瞬口を閉じたが、再び話し始めた。

「……怖がらないでいてくれたら嬉しいかな。
俺が謡に飲み込まれたなんて聞いたらそうも行かないかもしれないけど。
俺が飲み込まれたのはあくまで弟が俺と触れ合うことを強く望んだからであって、元々は何者をも拒む不可侵のバリアなんだ、謡は。
レンに危害を加える可能性のあることは絶対にしない。約束する」

もちろん、それでも怖いなら触れることはもうしないと付け加えた。
1/27 20:17:20
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
レンが自分の話を咀嚼してくれているのを、静かに見つめていた。
そして、その結果の第一声、『お互い生きて会えてよかった』という言葉に笑みを浮かべる。

「いきなり長い話してごめんな。どうしても言いたいことがあって……。
そういう訳で俺は怪異になってしまい、『人間だから人間のために戦う』という大義も見失って、まあヘコんでたんだけど。
……レンが怪異になったって聞いて、今日これまでレンと過ごして思ったんだ。
そんなの別に関係ないなって」

レンと目を合わせて、優しく微笑んだ。

「今は以前とそう変わらないけどさ、怪異になったらそのうち俺たち、人間らしい感情とかが失われて心まで怪異になっちゃうかもしれないけど。
もしそうだとしても、俺はレンっていう存在が無事に生きてくれてりゃそれでいいなって思った」

1/27 20:16:10
> 不動 綾人(1336)
「謡の事はちゃんとはわからないけど…桔梗院や僕に何かできたりする事は無いんだよね?多分」

というか綾人の状態がそれならなんともしないほうがいいんだろうな?と首をかしげる。
退魔師はそれぞれ抱えている問題が多く、人の領域に不理解のまま踏み込む事はしないほうがいいと教えられてもいる。
何かがしたい、助けたいと思っても暴走するのは相手の為にならないだろう。

「ええと…どうすれば楽なんだろ?して欲しくない事とかーーーー???」

分からないから、なにが綾人の負担になるのか。それが知りたかった。
1/27 19:52:46
> 不動 綾人(1336)
「……バレテイナイ」

黙って綾人の話を聞いてからレンはその部分を復唱するようにつぶやいた。
彼女は頭がいい方ではない、それに一気には飲み込めない話だ。
けれど綾人はこの話をしてくれた。
口にすることの危険性はレンにだって理解できる……だからその誠意に応えるよう自分の中で話を噛んだ。
それは時間がかかってしまったかもしれない。

レンは瞬きもせず何度か一人で頷き…それからやっと綾人の顔を見つめなおした。
話の理解はできた。納得もした。……許せないと思えたし何もできない自分が歯がゆくも思う。
それから最後に語られた今の綾人の事を───確認したいと思った。

「どんな事になっても生きて会えてよかったよね、お互い!」

そういって笑って見せる。
どういう形でも貴方はここに居る、会いに来てくれた。
だから自分は肯定する、貴方の生存を。成り果ての命を。
それを人の死だと本人が肯定していたとしても。

不動綾人はここに居てくれると。
1/27 19:46:09
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「桔梗院は、認識阻害術で謡のプレッシャーを隠し弟を社会復帰させようとしていたことは把握している。
俺がその謡の中に閉じ込められちまったのも、知ってる。
だが、それ以前から使役している式神や、宿している神獣が俺の元から離れないことから俺がただ”人間として”バリアの中に閉じ込められてしまったと認識しているんだ。
俺を救出しようという動きもある。
……でも、違う。俺の肉体は全部謡に混ぜ込まれて溶けてしまった。この身体を形作っているものは、謡なんだ」

触れたら温かい掌も。強い意志を感じさせる瞳も。

「全部、俺の記憶や魂が形作ったつくりものなんだよ」
1/26 21:38:47
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
仕切り直すように、顔を引き締め話を始める。

「……簡潔に言う。俺は怪異になったが、桔梗院にはバレてない」

こんな話をするのはこの特殊な空間上とはいえリスキー過ぎるが、綾人には伝えるべきことがあった。

「事の起こりは俺に腹違いの弟がいることが判明したことだ。
神のごとく強大で圧倒的な格の違いがありながらも、神聖も邪悪も感じない、何なのか判別がつかず、得体が知れない。そんな力に覆われた者。
その力は異常そのものだが、弟はその力を身に纏った人間なのか。それとも中にいる弟も怪異なのか。
それを明らかにし適切に処分するのが俺に課せられた任務だったが、失敗した。
俺もその力の中に囚われ、弟の持つ力の一部になってしまったんだよ」

目を伏せ、小さく息を吐いた。

「……桔梗院では弟を危険人物と認識し地下に隔離していた。
俺はその弟が地上に出られるように、弟の力──不可侵のバリア、謡(ウタイ)が放つ強大なプレッシャーを隠すことを考えた。認識阻害術でな」

認識阻害術。退魔師が怪異と戦う時などに使われる術だ。
他者の認識を捻じ曲げ、そこに何もない、もしくは通常のありふれたものしか存在しないよう感じさせる術。
それを謡という力に混ぜ込み、弟が外に出ても他者から恐れられず普通に暮らせるようにしたという。
弟が人間ならそれで良し。
もし怪異であったとしても、人間に協力的な怪異は桔梗院に所属し退魔師として生きることができるから。
自分は弟をそうしてやりたかったのだと。

「……しかし、しくじった。弟が俺を自分の中に取り込もうとして、俺はそれを拒めなかった。
今、俺の周りにも謡が張り巡らされているんだよ。何も見えないだろうし感じない──いや、人によっては隠しきれない得体のしれない何かを感じるかもしれない。でもまさか、誰もわからないんだよ。俺がそんな強大なエネルギーの中に──いや、俺自身がそのエネルギーになっちまったなんてな」

1/26 21:37:15
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
レンの問いに少しばかり面食らった後、小さく笑った。

「……大丈夫。俺は何もされてない」

辛かったのだ。レンがかつて桔梗院からどんな扱いを受けていたのか察してしまったから。
おおよそ人間扱いはされていなかったのだろう。

しかし、レンが真っ先に自分の身を案じてくれて嬉しかった。
安心させるために笑みを見せたが、内心そのような思いもあったのだ。

1/26 21:34:08
怪異になってしまった……と。
その言葉は自分の身にも起きていながらなお衝撃的で。

「あ…」

やはり聞いて良かった話ではなかったのかもしれず、うまく言葉が出る事もなく。
残念ながら比喩ではないだろう。そうなってしまった己を前にそんな言葉はきっと使わない。

「……えっ…と、それは」

スカートを膝の上でくしゃっと握り、そこを見つめる。
よかった事なのか悪かった事なのか、大丈夫なのかそうではないのか……何も言うことが出来ずに目が回るような気持ちだ。

(……桔梗院は?綾兄ィに何も?)

ぐるぐると回る思考の中で一つの懸念が浮かび上がりハッとする。
明らかになっていればこれだけの人がなにもされないわけがないのだろうと。
そうして顔をあげて、今度は食い入るように綾人の綺麗な顔を見つめた。

「綾兄ぃ!!何もされてないだろうね!?」
7/2 20:56:55
「三歳児!へへへ、確かにそう!」

おしまい、とポンポンされる事にはすっかり力も抜けている。
三歳児という扱いは普段なら不満に思うのだろうけれど優しい兄貴分の前では特にそんな気分にもならなかった。

「うん、そうだね…綾兄ィには甘えさせてもらおうかな」

困ったなぁ、弱みは人にあまり見せたくないのに。
……そんな気持ちではにかみながら肩を竦めて見せた。
7/2 20:46:57
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
レンが自分の事情を聞いてきた時、綾人はそれを予想していたが、それでも少しだけ考えた。
”どこまで言うか”を。

外部から遮断された、秘匿の空間。
とはいえ、綾人の目標のためには桔梗院にも不動の家にも絶対に知られてはいけないことがある。
同情心や共感などで言ってはいけないことだ。

だが、

「……そうだな」

あまりにも、同じだったから。

「俺も怪異になっちゃったよ」

もう何十年も繰り返してきた作りものの笑みが、今も上手にできていればいいのだが。
5/26 21:56:20
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
大人しく撫でられているレンを眺めつつ、思う。

こんなふうに、撫でられるのを当たり前に受け入れられるようになればいい。
誰にでも甘えられるようになればいい。

だけれど、今はこう言っておこうか。

「……レンはまだ三歳児なんだろ。いつでも兄ちゃんに甘えな」

そう言い、『おしまい』というように頭を軽くポンポンと叩き、手を離した。
5/26 21:55:06
(深い瞳。優しい瞳……でも恐ろしいほど強い瞳)

人がどういう人なのかは瞳で分かる。
だからこそまっすぐに見つめすぎるものではないとレンは思っている。
それはあちらを見つめるときにはこちらも見つめられるからと、そういう警戒心なのかもしれないけれど。

(他意がないね、綾兄ィは)

視線を逸らせば黒の中に浮かぶ青。

(ああ、これかもしれない。綾兄ィは空だ)

大空だったり、その向こうの宇宙だったり……ここに在る人はそういう深いものだ。
昔よりずっとずっと不動綾人という人間が包む世界は大きくなっているのではないだろうか?
安心感の向こうに気持ちいいほど何もないのは、そういう事なのではないのだろうか?
だからこそ甘やかされる事を怖がる必要はないのだと思い、撫でられるままにした。

暫く撫でられ、指が離れていくのを見ながらレンはぽそっと口を開く。

「綾兄ィも大変だったんだよね……あんまり深く聞いちゃダメなやつ?」

少しだけ救われた気持ちは、何かを返したがった。
……何もできないかもしれないし、そうなのだろうけれど。
 
5/26 21:23:38
コマンド一覧
発言を削除 DELETE
ブロック BLOCK
BAN BAN
コマンドを入力
キャンセル
コマンドを入力