ウルタール芸能事務所応接室
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「あ、コレ好きなの?しまったな、レン用には違うの買ってきちゃった」
レン用に持ってきたのは薄いせんべいに様々なディップソースをつけて食べるもの。
甘くなく味の変化が楽しめるので、用意してくれているお菓子と共にお喋りしながら食べるにはちょうど良いと思ったのだが、事務所用のものは通好みながら有名どころなので好物であってもおかしくはない。
まあ後で食べると言っていることだし、いいか。
そう思い直しつつも、レンの好物は覚えておくことにした。
レンに限ったことではなく、人の喜ぶことは記憶しておく性質なのだ。
「じゃあ紅茶を」
反射的にそう答えてから、メニューを見て改めて「アールグレイで。ミルク入れてくれるかな」と言った。
せっかくなんでも準備すると張り切ってくれているのだから、多少は注文をつけた方がやりがいもあるというものだろう。
レン用に持ってきたのは薄いせんべいに様々なディップソースをつけて食べるもの。
甘くなく味の変化が楽しめるので、用意してくれているお菓子と共にお喋りしながら食べるにはちょうど良いと思ったのだが、事務所用のものは通好みながら有名どころなので好物であってもおかしくはない。
まあ後で食べると言っていることだし、いいか。
そう思い直しつつも、レンの好物は覚えておくことにした。
レンに限ったことではなく、人の喜ぶことは記憶しておく性質なのだ。
「じゃあ紅茶を」
反射的にそう答えてから、メニューを見て改めて「アールグレイで。ミルク入れてくれるかな」と言った。
せっかくなんでも準備すると張り切ってくれているのだから、多少は注文をつけた方がやりがいもあるというものだろう。
5/13 17:20:00
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「はは、良い噂だったらいいんだけど。ありがとう、今後ともよろしく」
なるほど、「そういう設定なのでよろしく」ということか。
加田住と名乗った青年に愛想良く笑んだ。
かつてレンの周囲には五匹の猫が付き従っていた。彼はその一匹のようだ。
──おそらく、レンに付き従うというよりはレンの内にいたものと関わりが深いのだろうと思われるが、それが消えた今彼らの関係が変化しているのかどうかはわからない。
どうであれ、本人がわかりやすく「兄貴面」をしている以上、無害であると言いたいのだろう。
ならば今は深く考える必要はない。
→
なるほど、「そういう設定なのでよろしく」ということか。
加田住と名乗った青年に愛想良く笑んだ。
かつてレンの周囲には五匹の猫が付き従っていた。彼はその一匹のようだ。
──おそらく、レンに付き従うというよりはレンの内にいたものと関わりが深いのだろうと思われるが、それが消えた今彼らの関係が変化しているのかどうかはわからない。
どうであれ、本人がわかりやすく「兄貴面」をしている以上、無害であると言いたいのだろう。
ならば今は深く考える必要はない。
→
5/13 17:09:34
加田住 レン(ENo.1335)
レンの方はというと土産物を受け取る奏の隣で苺のタルトを二人分用意してカップなど取り出しているところだ。
土産物の方に目をやると外装で好物だと気が付いたらしくはしゃいでいる。
「ああ~~~サワースティックの美味しいトコだ!後で僕も食べる!ありがとー!
……あ、そうだ。綾兄ィ、何飲む?コーヒー?紅茶?そこのメニューにあるものなら何でも用意するよ」
土産物の方に目をやると外装で好物だと気が付いたらしくはしゃいでいる。
「ああ~~~サワースティックの美味しいトコだ!後で僕も食べる!ありがとー!
……あ、そうだ。綾兄ィ、何飲む?コーヒー?紅茶?そこのメニューにあるものなら何でも用意するよ」
5/12 20:53:11
金髪の店員(ENo.1335)
入った来た時点では貴方に会釈する程度の彼だったが、貴方に声をかけられるとそちらに向き直り姿勢を正した。
「これはどうもご丁寧に有難うございます。
お預かりさせてもらいますね、事務所の皆も喜ぶと思います……わぁ、猫用のおやつ迄いただいて……
本当にありがとうございます、後でみんなで頂きますね……!」
そうしてあなたからお土産の袋を受け取ると丁寧に頭を下げた。
「不動綾人さんですね、存じ上げておりますとも。
僕は加田住 奏と申します、ウルタールの喫茶店の現マスターを務めさせてもらっております。
貴方の事はレンから度々聞かされておりますよ、お会いできて嬉しいです。
今日はレンの為に有難うございます、どうぞゆっくりしていってくださいね」
そんな風に挨拶する青年をレンは不貞腐れ顔で肘で突いている。
「兄貴面するなー」とか言ってる様子から降って沸いた兄設定の人物なのだろう。
勘のいい人物ならばレンに血縁などいないはずであり、退魔師ならばレンについて回っていた五匹の猫の一人であることは容易にわかる。
わかるのだが……どうにも理解されることを前提としてのこの態度なのだろうともか判断できるだろう。
なのでそれに対しては知らぬふりをして構わないのかもしれない。
→
「これはどうもご丁寧に有難うございます。
お預かりさせてもらいますね、事務所の皆も喜ぶと思います……わぁ、猫用のおやつ迄いただいて……
本当にありがとうございます、後でみんなで頂きますね……!」
そうしてあなたからお土産の袋を受け取ると丁寧に頭を下げた。
「不動綾人さんですね、存じ上げておりますとも。
僕は加田住 奏と申します、ウルタールの喫茶店の現マスターを務めさせてもらっております。
貴方の事はレンから度々聞かされておりますよ、お会いできて嬉しいです。
今日はレンの為に有難うございます、どうぞゆっくりしていってくださいね」
そんな風に挨拶する青年をレンは不貞腐れ顔で肘で突いている。
「兄貴面するなー」とか言ってる様子から降って沸いた兄設定の人物なのだろう。
勘のいい人物ならばレンに血縁などいないはずであり、退魔師ならばレンについて回っていた五匹の猫の一人であることは容易にわかる。
わかるのだが……どうにも理解されることを前提としてのこの態度なのだろうともか判断できるだろう。
なのでそれに対しては知らぬふりをして構わないのかもしれない。
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5/12 20:18:16
加田住 レン(ENo.1335)
「へぇ、普通は困るんだ?せっかくだし覚えておくよ」
説得力のあるおっさん用のアドバイスをありがたく受け取るおっさん女子。
お前はどこにその知識を活かすつもりなんだというのは置いておいて。
挨拶をさせてくれと言われればウンウンと頷いてカウンターのほうを向く綾人の後ろを回り込むようにカウンターの中へ。
お茶の準備などをするつもりなのだろう。
→
説得力のあるおっさん用のアドバイスをありがたく受け取るおっさん女子。
お前はどこにその知識を活かすつもりなんだというのは置いておいて。
挨拶をさせてくれと言われればウンウンと頷いてカウンターのほうを向く綾人の後ろを回り込むようにカウンターの中へ。
お茶の準備などをするつもりなのだろう。
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5/12 19:59:40
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「ハハ、女の子は急に「部屋取ってあるよ」なんて言われたら準備がなくて困るからやめとけよ」
なぜかおっさんに向けたアドバイスをしながら手を離す。
遊び慣れしたおっさんの言葉には説得力があった。
「ちょっと待って、挨拶だけさせてくれ」
鍵を取り出すレンを制して提げていた紙袋を見せた。
──今の状態を外部の者にあまり見られたくなく、しかし喫茶店という性質上誰が入ってくるかわからないので早いところ撤退したいということなのかもしれない。
そう思いながらも、客として招かれた以上最低限の礼節は欠かさない。
誰かが入ってきて困ることがあるなら自分の認識阻害術でなんとかしようと考えつつ、カウンターに向かい金髪の青年に声をかけた。
「どうも、不動綾人という者です。挨拶が遅れてすまないね、今日はよろしく。
土産を持ってきたんだけど、ここで預かってもらったらいいかな?
事務所の皆さん用と、猫がいっぱいいるって聞いてたから猫用にもいくつか持ってきたんだけど。よかったら」
レンはこれから自分と応接室に行くのだから事務所用の土産を渡しても持て余すだろうから、レン用の土産のみ応接室まで持って行って後で渡すとしよう。
ちなみに土産の中身は、事務所用の方はサワースティックで有名な王室御用達のクッキーセット。
猫用に持ってきたのはチュールと猫用の鰹節。
「俺猫飼ったことないからよくわからないんだけど、人間の食べるもの食べたら身体に悪いんだってね?
これなら大丈夫だろうって猫飼ってる友人に聞いて持ってきてみたんだけど、口に合わなそうなら持って帰るから大丈夫だよ」
そう付け加えながらとりあえずカウンターに土産を置いた。
もし所長に直に持って行けと言われでもすればこの場は引っ込めるだろう。
なぜかおっさんに向けたアドバイスをしながら手を離す。
遊び慣れしたおっさんの言葉には説得力があった。
「ちょっと待って、挨拶だけさせてくれ」
鍵を取り出すレンを制して提げていた紙袋を見せた。
──今の状態を外部の者にあまり見られたくなく、しかし喫茶店という性質上誰が入ってくるかわからないので早いところ撤退したいということなのかもしれない。
そう思いながらも、客として招かれた以上最低限の礼節は欠かさない。
誰かが入ってきて困ることがあるなら自分の認識阻害術でなんとかしようと考えつつ、カウンターに向かい金髪の青年に声をかけた。
「どうも、不動綾人という者です。挨拶が遅れてすまないね、今日はよろしく。
土産を持ってきたんだけど、ここで預かってもらったらいいかな?
事務所の皆さん用と、猫がいっぱいいるって聞いてたから猫用にもいくつか持ってきたんだけど。よかったら」
レンはこれから自分と応接室に行くのだから事務所用の土産を渡しても持て余すだろうから、レン用の土産のみ応接室まで持って行って後で渡すとしよう。
ちなみに土産の中身は、事務所用の方はサワースティックで有名な王室御用達のクッキーセット。
猫用に持ってきたのはチュールと猫用の鰹節。
「俺猫飼ったことないからよくわからないんだけど、人間の食べるもの食べたら身体に悪いんだってね?
これなら大丈夫だろうって猫飼ってる友人に聞いて持ってきてみたんだけど、口に合わなそうなら持って帰るから大丈夫だよ」
そう付け加えながらとりあえずカウンターに土産を置いた。
もし所長に直に持って行けと言われでもすればこの場は引っ込めるだろう。
5/11 20:32:01
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
レンの髪色については、「今年は毛先にホワイトベージュ入れるグラデーションカラーが流行ってるし良いんじゃないか?似合うよ」と褒めた。
綾人は流行に敏感で美的センスも高いので信用しても良いだろう──自分の服装に関してはたまにワンポイント足す程度でさほど流行を取り入れてはいないが。
触れられるのが苦手そうな様子や、実際触れられると緊張が解けて掌にすり寄ってくるのが、人間に慣れていない猫のようで微笑ましさに目を細めた。
レンの存在は以前から特殊性があり、現在はさらにそれが深まったともいえるが、心は普通の女の子なのだ。少なくとも、綾人にはそう感じられた。
先ほどレンは「必要な事は後で話すね」と言っていた。
この異界の創造主の気配を纏ったレン。
何事もなかったかのように「普通の女の子」として生きるのは容易ではないのかもしれない。
だが、自分にできることならどうにかしてやりたいと思った。
やはり、天秤は五分から傾いた。
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綾人は流行に敏感で美的センスも高いので信用しても良いだろう──自分の服装に関してはたまにワンポイント足す程度でさほど流行を取り入れてはいないが。
触れられるのが苦手そうな様子や、実際触れられると緊張が解けて掌にすり寄ってくるのが、人間に慣れていない猫のようで微笑ましさに目を細めた。
レンの存在は以前から特殊性があり、現在はさらにそれが深まったともいえるが、心は普通の女の子なのだ。少なくとも、綾人にはそう感じられた。
先ほどレンは「必要な事は後で話すね」と言っていた。
この異界の創造主の気配を纏ったレン。
何事もなかったかのように「普通の女の子」として生きるのは容易ではないのかもしれない。
だが、自分にできることならどうにかしてやりたいと思った。
やはり、天秤は五分から傾いた。
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5/11 12:33:10
加田住 レン(ENo.1335)
撫でられるのを楽しんだ後、レンはそちらを見上げて首を傾げた。
「喫茶店の入り口で戯れるのもなんだし、移動する?
事務所の部屋の鍵預かってるからそこでゆっくりしようよ」
そういって部屋の鍵をとりだして見せてから…少し変な顔をした。
「あー、なんか今の女の子を誑かす時のおっさんみたいだった……」
身も蓋もない。
「喫茶店の入り口で戯れるのもなんだし、移動する?
事務所の部屋の鍵預かってるからそこでゆっくりしようよ」
そういって部屋の鍵をとりだして見せてから…少し変な顔をした。
「あー、なんか今の女の子を誑かす時のおっさんみたいだった……」
身も蓋もない。
5/11 03:38:25
加田住(ENo.1335)
そうしてはしゃいでいるとゆっくりと大きな手が伸びてくる。
レンは、触られるのが苦手だ。
アイドルという職に就いていた以上、握手会には慣れたけれど人に触れられるのは怖いというよりも嫌いだった。
伸びてくる手をじっと見つめる。
その手が頭に置かれる瞬間、目をキュッと閉じて猫のように首を引っ込める。
(……うん、綾兄ィだ)
嫌悪感はなかった。
親しい人でもごく一部を除いてこんな風に触れられて平気な人は少ないのにな……と内心苦笑する。
綾人はこうして人の内側に入ってくるのが得意な人なのだろう…とレンは思う。
それが他意の無さによるものか優しさを感じ取れるからなのかはわからないけれど、いつの間にか緊張は解けていた。
よかった、と綾人の声がする。
(うん……あなたもそうだよ、無事でよかった)
それは言葉にできない。
元気かなと思いはしていたが身を案じていたわけではないはずだ。
それでも綾人に対してレンもそう思った。
「僕も……顔が見れて本当に嬉しい、よ」
慣れた猫がそうするように、綾人の掌に頭のてっぺんを押し付けるように擦りついてそう答える。
……これが甘えるという行為である事だなんて自覚はないままに。
レンは、触られるのが苦手だ。
アイドルという職に就いていた以上、握手会には慣れたけれど人に触れられるのは怖いというよりも嫌いだった。
伸びてくる手をじっと見つめる。
その手が頭に置かれる瞬間、目をキュッと閉じて猫のように首を引っ込める。
(……うん、綾兄ィだ)
嫌悪感はなかった。
親しい人でもごく一部を除いてこんな風に触れられて平気な人は少ないのにな……と内心苦笑する。
綾人はこうして人の内側に入ってくるのが得意な人なのだろう…とレンは思う。
それが他意の無さによるものか優しさを感じ取れるからなのかはわからないけれど、いつの間にか緊張は解けていた。
よかった、と綾人の声がする。
(うん……あなたもそうだよ、無事でよかった)
それは言葉にできない。
元気かなと思いはしていたが身を案じていたわけではないはずだ。
それでも綾人に対してレンもそう思った。
「僕も……顔が見れて本当に嬉しい、よ」
慣れた猫がそうするように、綾人の掌に頭のてっぺんを押し付けるように擦りついてそう答える。
……これが甘えるという行為である事だなんて自覚はないままに。
5/11 03:29:18
加田住(ENo.1335)
「黒だと綾兄ィの白い肌が生えるよね、ほうほうほう……!」
そうして楽しそうに変化した綾人の姿を眺めていると自分の髪色についても触れられる。
「あー……これはイメチェンじゃなくて……
自然発生の白髪?なんだけどね。
根本じゃなくて毛先が白っぽくなるの、変だなぁって思っていたんだけど」
ポニーテールの毛先を持ち上げてくるくると回す。
「でも綾兄ィが可愛いっていうなら大丈夫だね。自信出たかな、ありがと」
→
そうして楽しそうに変化した綾人の姿を眺めていると自分の髪色についても触れられる。
「あー……これはイメチェンじゃなくて……
自然発生の白髪?なんだけどね。
根本じゃなくて毛先が白っぽくなるの、変だなぁって思っていたんだけど」
ポニーテールの毛先を持ち上げてくるくると回す。
「でも綾兄ィが可愛いっていうなら大丈夫だね。自信出たかな、ありがと」
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5/11 03:14:51
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
自分の姿を楽しそうに眺めているレンをこちらも眺める。
『僕の方は前よりも元気といえるよ。 』
確かに、その振る舞いは以前より明るい印象を受ける。
レンの現状を見るに、何かあったという言葉では済まないほどの大きな事件があったことは明らかで。
それでも、少なくとも綾人との再会を喜んで、ニコニコしてくれている。それだけで。
「……良かった」
小さく呟き、ゆっくりと手を伸ばしその頭を軽く撫でた。
慈しむような優しい表情で。
「レンの顔が見れて嬉しいよ。本当に」
元気な顔を見せてもらいに行くと言ったし、元気であるに越したことはないのだが。
何を無事と見なすのかはその者次第であるので、今の状態が無事であると軽々には言えないのだが。
たとえ元気でなくとも、無事でなかったとしても。
レンが少しでも物事を楽しいと感じる心があるのであれば良かった。
そう思った。
『僕の方は前よりも元気といえるよ。 』
確かに、その振る舞いは以前より明るい印象を受ける。
レンの現状を見るに、何かあったという言葉では済まないほどの大きな事件があったことは明らかで。
それでも、少なくとも綾人との再会を喜んで、ニコニコしてくれている。それだけで。
「……良かった」
小さく呟き、ゆっくりと手を伸ばしその頭を軽く撫でた。
慈しむような優しい表情で。
「レンの顔が見れて嬉しいよ。本当に」
元気な顔を見せてもらいに行くと言ったし、元気であるに越したことはないのだが。
何を無事と見なすのかはその者次第であるので、今の状態が無事であると軽々には言えないのだが。
たとえ元気でなくとも、無事でなかったとしても。
レンが少しでも物事を楽しいと感じる心があるのであれば良かった。
そう思った。
5/10 23:20:36
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加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「そうか?」
レンに綺麗になったと言われ、わざとらしくさらりと髪をなびかせ、格好をつけたポーズをしてみせた。
「レンこそ髪色かわいいじゃん。さてはイメチェンしたの黙っててびっくりさせようとしたな?」
──レンが、自分を見てなにかに気づいたのは明らかだった。
──綾人もまた、レンを見てなにかに気づいた。
不動綾人の妹は5歳の時病でこの世を去った。
当時10歳の綾人にはどうあがいてもどうにもできないことだったが、それでも何もできなかった無力感に打ちひしがれたものだった。
不動綾人は頭を残してヒトならざるものとなってしまったレンを見て、妹が死んだ時と同じ感情を抱いた。
どうしようもなかったことはわかっている。
わかってはいるが、やるせなかった。
レンは、今の自分と似たような存在になってしまったとも言えるから。
自分はそれを、少なくとも好ましい変化と受け取ってはいないから。
──それでも、綾人の変化を飲み込み「綺麗になった」と言ってくれるレンに、その言葉にふさわしいように綺麗に笑んだ。
いつものように、冷静に。
こちらもレンの変化を、飲み込んだ。
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レンに綺麗になったと言われ、わざとらしくさらりと髪をなびかせ、格好をつけたポーズをしてみせた。
「レンこそ髪色かわいいじゃん。さてはイメチェンしたの黙っててびっくりさせようとしたな?」
──レンが、自分を見てなにかに気づいたのは明らかだった。
──綾人もまた、レンを見てなにかに気づいた。
不動綾人の妹は5歳の時病でこの世を去った。
当時10歳の綾人にはどうあがいてもどうにもできないことだったが、それでも何もできなかった無力感に打ちひしがれたものだった。
不動綾人は頭を残してヒトならざるものとなってしまったレンを見て、妹が死んだ時と同じ感情を抱いた。
どうしようもなかったことはわかっている。
わかってはいるが、やるせなかった。
レンは、今の自分と似たような存在になってしまったとも言えるから。
自分はそれを、少なくとも好ましい変化と受け取ってはいないから。
──それでも、綾人の変化を飲み込み「綺麗になった」と言ってくれるレンに、その言葉にふさわしいように綺麗に笑んだ。
いつものように、冷静に。
こちらもレンの変化を、飲み込んだ。
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5/10 23:19:23