ウルタール芸能事務所応接室

導入は別の場所かも

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──加田住 レンはそれを言い表す言葉を知らなかった。
理解はできないがわかる
目の前にいる者は今まで知っていた者ではない、それでも間違いなく不動綾人だ。

目に映る違和感を、認識が判断できないそれをレンはしばらく口をあけて視ていたが……



 
5/8 18:16:08
玄関のドアの窓に人影が写るとレンはまるで猫がそうするように背筋をぴんと立ててそちらを見つめた。
そしてそれが待ち望んでいた友人だと気が付くと跳ねるように椅子から立ち上がりその人物を迎え入れる。

「綾兄ィ!ひさしぶ……り……」

弾む声は尻すぼみに消えてゆく。
瞬きも忘れるようにしてその姿を見る。
5/8 18:01:52
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
「レン!」

事務所内に入ってレンの姿を認めると、目を細めて笑いかけるだろう。

綾人もレンに負けず劣らず、会えるのを楽しみにしていた。
彼女の身を案じ、無事な姿を見たいという気持ちが強いが。

果たして、彼らには互いがどのように見えるのだろうか。
5/8 05:37:06
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
【情報開示】

不動綾人は定義できない強力なエネルギーに包まれている。

その力は、神のごとく強大で圧倒的な格の違いがありながらも、神聖も邪悪も感じない。
何なのか判別がつかず、得体が知れない。
ただただ、異質であることだけがわかる。

その正体不明の力をここでは「謡(ウタイ)」と呼ぶ。

綾人は謡に認識阻害術を混ぜ込み身に纏っている。
これにより、他者からは綾人もしくはその者がイメージする通りに存在を感じられる。
この術は五感を騙すことができ、謡の特殊性も関わることから一般的な認識阻害術を看破できる者であったとしても、術の存在を認識することすら容易ではない。

しかし、神や異界の存在を強く感じる者であれば、認識阻害を突破して謡本来の異質さ、得体の知れなさ、格の違いを感じ取れるかもしれない。

なお、不動綾人はこの事実をできれば隠したいと思ってはいるが、謡の発生源の強大さを一番よく理解しているためある程度漏れ出すのは仕方のないことだと考えている。

「不動綾人はその肉体を得体の知れない強大なエネルギーに覆われており、それを認識阻害術で隠している」

ここまでは見破られても問題ない。

不動綾人の■■■■■■■■■■■■■■■■■■■だけは、知られてはならない。

5/8 05:36:06
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
──約束の当日、ウルタール芸能事務所前

綾人は約束の時間より少しだけ早めに玄関前に到着した。
外での待ち合わせなら1時間ほど前から待機しておくのが常だが、今回はレンがお茶とお菓子を用意して待っているとのことであるから、家を訪問するのと同じ感覚でいれば良いだろう。

綾人の当日の服装は、いつもと変わらぬ黒ずくめ。
黒いシャツの胸元を豪快に開け、黒いネクタイを結ばず首からぶら下げている。
黒いスキニーパンツはすらりと長い脚によく似合い、靴や時計などの小物は質を追求した最高級品を身につけていた。
そこまでは、以前よりレンが知り、またBLACK FOGのAYATOといえばと連想される姿そのものであった。

しかし、本人曰く「大幅にイメチェンした」と言っていたのはその髪だ。

腰まである艷やかな黒髪。
それだけで目を引くというのに、さらに印象的なのがその内側の鮮やかな青。

かつてBLACK FOGではAYATOのイメージカラーは黄色とされていたが、退魔師である不動綾人の力を見たことがあるのであれば、青い炎を操る彼には青の方が似合いであると感じられるだろう。

奇抜な髪色ではあるが、イギリス人のハーフゆえのやや日本人離れした彫りの深い端正な顔立ちは髪の強い印象に決して負けておらず、むしろ彼のスター性を強調させる良い材料になっている。

──それだけなら、良いのだが。

5/8 05:30:52
「早く会いたいなぁ…」

玄関が正面から見える位置の椅子に陣取って足をぷらぷらさせて訪れを待つ。
わくわくと心を躍らせ誰かに会いたいと思える、今はもう彼女に心を奪う呪いはない。
ただただ訪れが待ち遠しかった。
 
5/6 08:31:25
(しかし、特別応接室か…)

特別応接室の防御は中で何事も起こさない為の結界などではない。
もはやこの場が異界であることを利用して空間を断絶する、そういう場所である。
異界は内側にいる者たちの意思で構築され、招かれざる者の干渉を一切遮断する。
内側にいるものの能力を制限する力が備わっていないのは訪れた桔梗院などの外部の者たちへの配慮なのだとうたいながら、その実干渉されてはならぬ問題事を密談し、内々に留めて置く為の場所だ。

事務所の内情を、ただ内に籠もりたいのではないかと見る綾人の見解は当たっている。
力をつけすぎて桔梗院の監視が強まればやりづらくなるが、BLACK FOGの不動綾人は欲しいのだ。
なので本人の意思次第、事務所としては流れに任せようという意図で強く勧誘をしない形を選びはしたが、大和としては外部の者である退魔師にレンが余計な事を言うのは避けたかった……相手が信頼できても外側から向けられた監視の目は違う。

(……この機会に僕の事を全部話せってのか?大和。
それとも僕の知らない何かが綾兄ィの方にあってそういう事を探れって?わかんないな)

だが、そういった事に疎いレンは察しもつかず首を傾げる。

(綾兄ィが凄い事だけはわかるんだけどなぁ……本気でスカウトしろってことか?)

預けられた銀色の鍵を投げては掴み投げては掴み……悩んでも分からないので考えるのをやめた。
5/6 08:27:55
「しっかしまぁ……話してはあるけどこれだけ猫がいると驚いちゃうだろうね」

カウンターでほかの作業をしている金髪の青年に話しかけると彼はやれやれといった風に肩をすくめた。
青年が猫たちに何やら話しかけると猫たちはバックヤードへと滑り込むように雪崩れ込んでゆく。

「あっははは、ありがと!さすがキミ達は話がわかるね
あとからメザシの詰め合わせを献上するよ」

ウルタール芸能事務所には猫が多い。
普通の猫も、怪異の猫も我が物顔で闊歩しており彼らはこの事務所で一番偉い。
──それはこの場所が『ウルタールの一部』だからに他ならない。

正しくはこの喫茶店の隅に幻夢郷と呼ばれる異界の町に繋がっている穴が開いておりその穴の先がウルタールという異界なのだが。
猫達は、いや怪異である猫達の殆どはその穴を門として異界と此方を好きに行き来しているようだ。
ウルタールという異界の町には『何人も猫を殺してはならない』という掟がある。
意味は分からずともそういうルールなのだ、この場にもそれが適用されている。だからここはウルタールなのだ。

「うちの事務所じゃ猫が偉い……それも説明しないとだなぁ」

異界の門は結界のスペシャリストである枇亘 透矢の手によってここに堅く封じられている。
心配はない、今はもうこの穴に危険性は殆ど存在しない。
この事務所の内側から出さない限り、問題は何もない。

「……でも綾兄ィを見たらキミ達もはしゃいじゃうだろうから、今日は大人しくしててね」

猫達を奥に追い立ててバックヤードの扉を閉める。
残った普通の猫たちがうろうろしているが、それはまぁ良いだろう。
あとは客人の訪れを待つばかりだ。
5/6 07:53:54
綾人と会う予定を入れた当日。
レンは約束の時間よりも随分前から一階にある事務所の玄関を兼ねた喫茶店で待機していた。

「苺タルトも用意したし、コーヒー紅茶もすぐ淹れられる…完璧完璧」

カウンターの内側で足に絡みつく猫たちをうまく避けながらもてなしの準備をする。
……苺タルトはただ自分が食べたいだけの物なのだが。
5/6 07:25:41
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
所長は同席しないとのこと、こちらがどの程度乗り気かも測りかねているのだろう。
しかし、それにしても慎重だなと綾人は感じた。

自分で言うのもなんだがBLACK FOGはインディーズとはいえ勢いのあるバンドであったし、その中でも一番人気のボーカリストが独立したとなると、これを逃す手はないと様々な事務所から声が掛かったものだ。

退魔師としての不動綾人はさらに有名──家柄だけではなく、古い世代の退魔師からは英雄と称されたほどの実績のある実力者である。

桔梗院傘下の芸能事務所となれば、綾人と繋がりを持っておこうとするのが自然であるだろう……普通に考えれば。

ウルタール芸能事務所。
かつては大和芸能事務所だったか。
元々は他の桔梗院所属組織と同じように、表の顔を持つ退魔師ギルドでしかなかったはずだ。

だが、ある大きな事件を起こしたことにより現在は桔梗院の監視が入っているいわくつきの事務所だと関係者内で囁かれている。
十数年前に起こった虫の怪異になにかしら関係があるとされる久凪の者まで抱き込んでいるのだから、きな臭いことこの上ない。

テリトリーの守護者は足りているから、よそ者を積極的に入れる気はないといったところか。
桔梗院の任務を数度共にした枇亘 透矢を思い浮かべた。彼もウルタール所属だ。彼の結界術は有事に役に立つだろう。

ウルタール芸能事務所が桔梗院に問題視されるものを抱えているとして、それを行使し世界になんらかの影響を及ぼしたいのであれば綾人のような強者は敵視するか逆に味方に引き入れておこうとするだろう。

しかし今回、積極的に誘うでもなければ拒むでもない対応を見るに、ただ内に籠もりたいのではないかと見た。
外からの侵入を警戒はすれど退魔師とわかっている客を入れる程度には防御に備えがある。そんなところか。

であれば自分に求められるのは退魔師としての力ではなく、単純に売れるか否か。
そこも含めてやはりウルタールに所属するかは五分五分だなと思った。

まずは、レンと実際に会ってみることだ。
天秤はそこで大きく傾くだろうから。
5/5 14:54:38
> 加田住 レン(1335)
不動 綾人(ENo.1336)
スタンドに立てかけたスマートフォンから陽気な着信音が流れると、PCでスケジュールを確認していた手を止めてアプリを開いた。

『レディのたしなみ持ってるな。偉いぞ』

レンの返信を読んでつい小さく笑ってしまい、第一声として自然とこの言葉を打ち込んでいた。
自分にとってレンは妹のようなものだが、それでも若い女性が男を部屋に招き入れるのは良くない。
もし無邪気に部屋においでよなんて言われたらやはり説教していたところだっただろう。

さて、レンは早速事務所の所長に話まで通してくれたらしい。
その行動の速さと元気な様子の返信に、自分と会うのを楽しみにしてくれている姿が目に浮かんで微笑ましい気持ちになった。

続いて空いている日をいくつか挙げる。直近なら本当にすぐ、数日後だ。
予め確認しておいたのでスムーズに事が運ぶだろう。

レンと所長に向けて礼を言い、楽しみにしている旨伝えるとスマートフォンを再びスタンドに戻した。
応接室まで借りるのだから、こちらも事務所入りを前向きに考え準備をしておかなければ。
5/5 14:52:27
「これでやっと綾兄ィに連絡できるね、よかったよかった」

所長室を出て……ついでにそこに合ったお菓子をふんだくって出たところの廊下で早速連絡を入れる。

『おまたせ!事務所の応接室使っていいって所長に許可もらった!
僕の部屋は嫌がりそうだからそこで会おうよ。
所長は今回は同席しないらしいから気軽に遊びに来てくださいって。どう?』

『綾兄ィの都合のいい日を聞かせてくれたらお茶とお菓子用意して待ってる』

綾人はコーヒー派だったろうか、紅茶派だろうか。それとも日本茶?
そんなことを考えながら約束を取り付けるべく返信する。
いつ、会えるだろうか。楽しみだ。
5/5 00:38:13
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