月明かりの花畑

その花畑は亡くした人や無くした物の幻を見れるらしい。特に、ここに来る時になくした何かを思い浮かべていたりしたらよく見えるらしいが…
あくまで物言わぬ幻…
この花畑の入り口になる森に来た時点で何か亡くした/無くした過去を持つ者なら導かれる様にこの中心地の花畑まで導かれるだろう…

そして、その花畑の隅にある小屋に住まう男性が1人…

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ソルス(ENo.441)
彼にはかつて友人がいた。
初めての友人、大切な友人。
2/28 01:36:08
ソルス(ENo.441)
……………………
2/28 01:18:30
ソルス(ENo.441)
認識能力が著しく衰えている正常ではない状態。虚ろな瞳、途切れ途切れの言葉。
だが、その行動は彼女を心配している証に他ならない。

この森の終わり、血の様な色をした森も、暗いばかりの森も、花畑も、蝶々も等しく消滅する瞬間。
ここを訪れた者にしか存在があった証明が出来ないそれは泡沫。

「ああ……出来ること、本当はきっといっぱい……ある、と思う、俺が、こうしてラーに、食料を分けて少しでも、役に、立てた様に…ちい、さな事も、大きな事、も……」

心なしか穏やかに見えるラーの表情に、ソルスの表情は柔らかく、彼女と話していてまだ自分は正気が残っていたことを再認識出来た。
救われて、ばかりだ。

「ああ、また…またな」

ソルスは大人しく見送るが、蝶々は暗い森の中をまた帰る彼女の光源代わりとなる為に森の中にいる間はついていくだろう。
2/28 00:41:07
> ソルス(441)
 食料の中に薬の存在に気づけば、ああ、何かしら感じているのだろうなと思う事だろう。

「そうか」

 終わりは終わる時に見ればいい。その時に分かる、救われたかどうか。その時が何時かわからないが、生きていたらラーは見に来るのだろう。

「こちらこそ感謝する。食料を得られるとは思わなかった。私にも出来る事はあるのだな、そう思った」

 ラーの表情は動かない。動かないが雰囲気は多少穏やかだろうか。

「……では、また今度」

 何もなければ、そのまま森の外へと行くのだろう。
2/28 00:07:53
ソルス(ENo.441)
籠の中には食料と一緒にソルスが薬草を煎じて作った痛み止めなどの飲み薬も入っている。
ソルスが普段服用している魔力回復薬と違って体に害のある類の物ではないらしい。聞きそびれている様子だが、心配はしているらしく──

「……それも、そうだ……自分にとって、当然の、様な、話も人にとっては……うん、ありがとウ……
それと…
俺の、未練を知って……ある、いは覚えてい、てくれてありが、とう……良かっ…た、俺を、知られずに、死にたくは、やっぱり、なかったかラ……
救われる思い……だよ」

この森の夜明け、それはきっと永い夢を連れてそのままソルスが眠る様に、この森の終わりが訪れる。
未練が、現世に繋ぐ力を持つとすれば、人によっては呪いになりえるが彼女にとってせめてそうではないのならば……

「ああ…ああ、ながく、引き止めてしまっ、たな…今日は、色々ありがとう……」

笑顔でそう言おうとしている。精一杯の顔だ。
2/27 23:57:10
> ソルス(441)
 ラーは自身の体調を隠していない、が大丈夫に見える様な行動の殆どは軍人として生活していたものなのだろう。聞かれたら答える、くらいか。

「実際、話は何でもいい。どんな話も誰かが語るまで誰も知らないものだ。
 その語った未練がお前のものだという自覚があるならいい。私は聞いて、覚える或いは知る。それだけだ」

 ソルスさんが首を振ったのを見て、頷いた。この森の夜が明ける時、それは終わりを意味するのだろうとも。そして、ラーは思う。己の未練は何なのだろうかと。ソルスさんの介錯の約束をして頼まれる前に先に己が死んだのならば、それは一つの未練となりえるのだろうとは思った。

「分かった。……では、そろそろ私は戻るとしよう」

 知り得たものについて、考える事も沢山あるだろうと。
2/27 22:59:37
ソルス(ENo.441)
徐々に活動出来なくなっていくのは、違う記憶でも覚えがある、寝る時間が多くなっていったりもした。
大丈夫、大丈夫と通していても何らかしらの異常は彼女の様に分かる類の人には隠し通せないもので…

彼女もまた、と考えるとソルスも感じる所はあるのだろう。彼女の場合大丈夫だと誤魔化したりしてるわけではないのであろうが…

「面白い話が、出来たら良かったのだが…俺のそういう所、直って、ナいんだな…
あ、…あぁ…未練は、俺自身の、物…だ。
海も、行ってみたかった、し……あと、大きい図書館が、この、世界にはあるって…行ってみたかった…
あと、青空、をまた見たかった……でも、夜は、この森ノ、夜は、明けないから……」

未練をある程度語った後首を横に振る。
ここまでで良い、これがこのソルスの未練である事実、証があれば…それを誰かが知ってるだけで良い。

「ああ、いつでも聞いてもら、って、良イ…から、力に、なれル事は、力に、なる…」

最早ここから出る事が叶わない身。
彼女の申し出を受けない事にはどうにもならない、だが、助けてもらうばかりは心苦しいから、自分に出来る範囲というと限られるがそれでも。
食料の支援は精一杯やらせてもらおうと。
2/27 22:36:17
> ソルス(441)
 その勘が当たる類の人であれば、それはたぶん間違いではないのだろう。

「ああ」

 あとどれくらいか。だが、いつ死ぬにしても終えてからだ。

「こちらも。聞いたことのない話を聞けた。お互い様だ。……未練があるなら、それもいい」

 それがお前自身の未練であるならば、と。

「ああ。こちらも要り様が思いつけば聞いてみる事にする」

 食料は受け取った、水は渡した。此処から出た後のこれからは、定期様子を見るついでに食料や水などの物資の調達や交換などがなされるのだろう。
2/27 14:13:58
ソルス(ENo.441)
「そういって、くれて、良かった…」

正気を繕うための言葉ではなく、それは紛れも無いソルスの言葉。
彼女の体の状態、限界は分からずとも死が近い状態なのは感じ取れる、何となく、勘としか言えないが。
だが、せめて本人がどう思ってるかは置いても苦しい日々を過ごしたならせめて、穏やかで静かな日々を、切にそう願う。

「魔力が、なくなっても、俺は…死ぬ、から……うん、お互イ、無理はしないよう…にしよ……う」

こちらもまたもう少し生きてみるという言葉、宣言もあって。夭折を遠からず迎えようともせめて、せめて…あと少しだけ──

「ありがとう…助けられっぱなしの様、で…もう、少しこの世界を、回っておけバ、良か、た……
……ラーの、やってくれる事、の、その分出来る限り、今回、の様に、何かと俺も用意はして、おく。
食料、以外にも、何かイる物があるなら、俺の、出来る範囲で、支援、する…」
2/27 03:43:27
> ソルス(441)
「そうだな、……善処はしよう」

 ソルスさんが思う穏やかな日常が送れるかはラーには分からない。だが、長くもないのだ。何時かは死ぬ命、ならば少しでも、ラーにとっての非日常を過ごしてみようではないかと。休暇無き日々の最後の休暇ともいえるだろうか。

「そうか」

 似たようなものか、と声に出さず呟く。

「ああ。私も無理はしない」

 宣言したからには先には死ねないなとラーは思った。

「わかった。私は、そうだな。たまに顔を出しに来よう。出られぬ身なら物資は必要だろう。迷い人が来るなら特に。対価は、食料でいい。安定したものが手に入るならそれに越したことはない。
 私は、私の出来る事をしたまでだ。だが、礼は受け取ろう」
2/27 02:09:42
ソルス(ENo.441)
「日常……せめ、て、この世界では、穏やか…ラーからし、たら非日常かモしれなイ……日々があっテ欲しい…押し付け、みたいな、言い方だけど……せめ、て……」

そう言ってる最中、記憶や名前を自身でつけてしまえば良いのではという提案で顔は不気味な程の笑顔を貼り付けたまま瞳からは一筋、溢れる。
それは、果たせなかった…かつての友人にした二度と出来ない約束を想起して…
涙を流したままゆっくりと頷く様子は狂い切っていない証拠に他ならなかった。

「回復の手段は……………な…い。ない……と言っても、過言では、ナい…から…延命…が、限界」

涙を腕で乱暴に拭っている最中、景色は何度も歪む。その時、見える景色、空に浮かぶ月から流れ落ちる赤い液体は血であり、涙の様に見える。

「ありがとう…無理、はシない…か、ら」

摩耗してることは最早否定しない。隠す意味も、最早ない。
さて、その後続く言葉に虚ろな瞳が少し緩む。さながら、安堵の様な…それの意味するところを理解したのだろう。

「…………うん、ありがとう…
迷い人が来た、時の為にも、あと、水…も貰ったから、もう少しだけ、生きて、みる……ありがとう……ありがとうな」
2/27 01:38:18
> ソルス(441)
「珍しいものではなかった。言うなら日常だ。気にしたことはない。
 名前も記憶も自身のものか曖昧ならいっそ自身でつけてしまえばいいのではないのだろうか。その記憶が許すか知らんが。
回復の手段が無ければ、延命の状態だな」

 ラーもいつ死んでもおかしくないという意味では似たようなものか。

「ああ」

 そうだといいな、その言葉に一言の返事。

「気を付けろ。摩耗しているようだしな」

 こちらも確りと受け取った食料を抱える事だろう。

「……ああ、もしも、もしもだ。

 何もかもが苦しく、解放されたいと思った時は。

 その時は教えてくれ」
2/27 00:59:52
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